光明真言とは?意味・ご利益・大日如来とのつながりを解説

こんにちは、幻想画家の奥田みきです。 本日は、密教の中で特に大切にされている祈りの言葉「光明真言」についてご紹介します。
光明真言は、唱えることで心身が水に洗われるように清められると信じられ、古来より大切にされてきた真言の一つです。
光明真言とは?
光明真言は、密教の中心的な作法対象である「大日如来」の真言です。 全文は次のようになります:
オン アボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ ジンバラ ハラバリタヤ ウン
この真言は、音そのものに力があるとされ、唱えることで心の汚れや迷いを清め、内面の光を呼び覚ますとされています。
光明真言の意味と構成
光明真言はサンスクリット語に由来していますが、一語一語に対応する明確な訳語があるわけではなく、正確に唱えることそのものが重要とされます。
(現代的な実践の中で伝えられている理解)
現代では「どんな気持ちで唱えればよいか」をイメージしやすくするための解釈もあります。 以下はその一例です:
- オン(om):宇宙の始まり、根源の音
- アボキャ ベイロシャノウ:大日如来への帰依
- マカボダラ マニ ハンドマ:智慧と慈悲の宝を得る祈り
- ジンバラ ハラバリタヤ:内面の汚れを清め、浄化するはたらき
- ウン(hum):真理とのつながりを象徴する音
これらは、祈りや真言を深めるための参考的な捉え方であり、宗教上の正式な訳語ではありません。

光明真言のご利益
- 罪障消滅・心身の浄化
- 病気平癒・健康祈願
- 先祖供養・冥福祈願
- 厄除け・開運招福
音の力そのものが、私たちの内側を整え、静けさへと導いてくれるとされています。
大日如来と光明真言の関係
光明真言は、密教の中心である「大日如来」の智慧と慈悲を音で表した真言です。 大日如来は、宇宙の根源を象徴する仏であり、すべての仏の源でもあるとされます。
この真言を唱えることは、大日如来の光と心を合わせ、自分自身を内側から整えることにつながります。
光明真言曼荼羅について

密教では、言葉や音の力だけでなく、視覚による祈りの象徴として「曼荼羅(まんだら)」が重視されます。
「光明真言曼荼羅」は、大日如来を中心に、光明真言の各音節を梵字であらわした構成で、音の響きを“形”として視覚化したものです。 祈りの場で唱える・見る・心で感じるという体験を重ねることで、より深い修法や瞑想の助けになると考えられています。
私が描いた光明真言の絵
ここでご紹介するのは、私自身が制作した光明真言をテーマにした曼荼羅形式の作品です。
この作品は、経典にある形ではなく、光明真言を中心に、不動明王、弘法大師、そして両界曼荼羅の大日如来を配した構成で描いています。
もともとは、ある方からのご依頼により制作したオーダー作品です。
その方は、人生で大きな困難に直面した際、密教の僧侶に助けられた経験があり、深い感謝と祈りの想いを込めて「お守りとしての仏画を」というご希望から、この絵をご依頼くださいました。
力強い不動明王、智慧へと導く弘法大師、そして宇宙を象徴する大日如来。 この一枚には、密教の深い祈りと守護のエネルギーが込められています。
まとめ
光明真言は、密教の教えの中心である大日如来の智慧と慈悲が込められた特別な真言です。
正式な仏教の修法では「正しく唱えること」が重視されますが、現代では、日々の心の安らぎや祈りの中にこの言葉を取り入れる方も増えています。
視覚・音・心のすべてを使って祈ることができる光明真言。 その響きとともに、自分自身を整えるひとときとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
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