ジクレー版画のすべて:作品の魅力を最大限に引き出す高精細複製技術

    こんにちは、画家/イラストレーターの奥田みきです。

    近年、デジタル技術の発展とともに注目を集めているのが「ジクレー版画」です。

    高精細なインクジェットプリンターを用いて、原画の色彩や質感などを忠実に再現した複製画です。

    従来の版画技法とは異なり、大量生産ではなく、作品ごとに丁寧に制作されるため、高い品質と希少価値を誇ります。

    目次

    ジクレー版画の特徴

    高精細で鮮明な色彩表現

    ジクレー版画は、高精細なインクジェットプリンターを使用することで、原画の細部まで忠実に再現することができます。微細な筆致や微妙な色彩のニュアンスまで表現できるため、まるで原画そのものを見ているような感覚を味わえます。

    豊富な素材と表現力

    ジクレー版画は、紙、キャンバス、和紙など、さまざまな素材に印刷することができます。

    表面加工や特殊なインクを用いることで、独特の質感や風合いを表現することも可能です。

    作家の創造性や表現力に制限をかけることなく、作品の魅力を最大限に引き出すことができます。

    圧倒的な耐久性

    ジクレー版画は、耐光性に優れた顔料インクを使用するため、色褪せや退色がしにくいです。

    適切な環境で保管すれば、長年にわたって美しい状態を保ち続けることができます。

    希少価値と価値

    ジクレー版画は、大量生産ではなく、作品ごとに丁寧に制作されるため、希少価値の高い作品として評価されています

    。また、作家自身が監修・制作に携わるため、複製画でありながら高い芸術価値を持ちます。

     

    ジクレー版画とポスターの違い

    ジクレー版画とポスターは、一見似ているように見えますが、品質、耐久性、制作過程、価値において大きな違いがあります。

    品質と耐久性の違い

    ジクレー版画は、高精細なプリンターと顔料インクを使用するため、ポスターよりも格段に高い品質と耐久性を誇ります。色褪せや退色がしにくく、長年にわたって美しい状態を保ち続けることができます。

    制作過程と価値の違い

    ジクレー版画は、作家自身が監修・制作に携わるため、複製画でありながら高い芸術価値を持ちます。

    一方、ポスターは大量生産される印刷物であり、芸術価値は低くなります。

     

    ジクレー版画の制作過程

    ジクレー版画の制作過程は、大きく分けて以下の4つのステップがあります。

    デジタル制作

    コンピューターを用いて、原画をスキャンまたは描き起こします。
    色彩調整や編集を行い、高精細なデータを作成します。

    アナログ制作

    アクリル絵具などを使用して、原画を制作します。
    原画をスキャンして、高精細なデータを作成します。

    専門工房による高精度な印刷

    専用のインクジェットプリンターを用いて、データに基づいて作品を印刷します。
    用紙やキャンバスなどの素材は、作品の特徴に合わせて選びます。
    色彩や質感などを調整しながら、原画に忠実な仕上がりを目指します。

    仕上げ

    印刷後に、必要に応じて手彩色やニス加工などの仕上げを行います。
    サインやナンバリングなどを入れ、作品を完成させます。

     

    ジクレー版画の選び方

     

     

    ジクレー版画を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。

    作品のテーマとサイズ

    自分の好きなテーマや、飾りたい場所に合わせて作品を選びましょう。サイズも重要です。部屋の広さに合ったサイズを選びましょう。

    素材と質感

    紙、キャンバス、和紙など、さまざまな素材があります。それぞれの素材の特徴を理解し、自分の好みに合ったものを選びましょう。

    ジクレー版画・デジタル制作とアナログ制作

    デジタル制作について、軽く触れておきます。

    デジタル画

    デジタル絵画は、コンピューターで制作したものです。最近私の仏画などをは、このデジタルでの制作がメインになっています

     

    デジタルというと、描かれたことのない方は「それってどんなもの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが

    私の場合アクリル絵の具で描いたものと手順が似ています。(塗り重ね、明るいところ、暗いところを塗り重ねて行く)

    これをコンピューターという「画材」で描いているだけで、結局の所はアナログでも、デジタルでもやはり「絵を描く」ことに違いはありません。

    仏画は細かい装飾も多い題材ですので、仏画とデジタルは相性が良いと思っています。

    実際デジタルでの制作によって、細部まで手を入れることが細かい装飾も描く事が出来ます。

     

     

    (ちなみに、ペンタブレットという、こういう機材を使っています。ソフトはクリップスタジオ+最後の仕上げがPhotoshopです)

    アナログ画

    一方のアナログは主にアクリル絵の具を使用していてますが、こちらは原画オンリーの「一点物作品」になります。つまり、世界に一点つだけのオリジナル作品と言うことです。

     

    アナログは絵の具の厚みや風合いなど、やはり一点物の存在感がありますが例えば上記の作品ですと、オーダー制作で描いた絵でB2サイズ(号数で20号程度)の大きめの作品です。一点物の為、制作費が数十万円になってしまいます。

    ジクレー版画で同等のサイズですと、7~10万円と原画に比べるとお手頃な価格で制作出来ます。

    まとめ

    ジクレー版画は、高価な原画よりも手頃な価格で手に入れることができるため、多くの人がアート作品を楽しむことができるようになりました。また、デジタル技術との融合により、新たな表現方法も生まれています。

     

    この記事が気に入ったら
    フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    神仏画・龍神画・幻想絵画を描く画家・イラストレーター。
    30年以上にわたり活動を続け、オラクルカードの制作や講師としても多くの経験を重ねてきました。
    オラクルカードは国内外で出版され、代表作に『光の龍神カード』『日本の密教カード』などがあります。
    また、星曼荼羅など、寺院からのご依頼による仏画も手がけてきました。
    ※書籍・オラクルカードは直販ショップやAmazon等もお求めいただけます。

    「光の龍神カード・リーディング講座」開催中

    光の龍神カード・リーディング講座 バナー

    龍のエネルギーを感じながら、静かに内なる声を受け取るリーディング講座です。
    ご興味のある方は、ぜひ以下よりご覧ください。

     

    奥田みきの公式アートショップ

    奥田みきのジクレー版画やオラクルカードなどを扱う【公式アートショップです】

    目次