宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を黄金テンペラで描く|新技法「箔の削り出し」に挑戦

目次

宇迦之御魂神の作品完成

宇迦之御魂神を描いたSMサイズの黄金テンペラ作品。赤い髪と金箔の装飾、豊穣を象徴する稲穂をまとった幻想的な神仏画。

宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)のSMサイズ・黄金テンペラ作品が完成しました。

今回の作品では、以前からテストピースを重ねながら研究してきた「箔の削り出し」という技法を、本格的に取り入れています。

黄金テンペラには、刻印や盛り上げだけでなく、金箔そのものを削り出して表情を生み出す表現があります。この技法は以前から取り入れてみたいと思っていましたが、「新しい技法だから使う」のではなく、その作品だからこそ生きる表現として使いたいと考えていました。

私はアクリル画でも、表面を削る表現をよく用います。

削ることで生まれる、どこか長い時間を経たような風合い。そのまま描くだけでは表現できない奥行きや余韻が好きだからです。

宇迦之御魂神の姿を思い描いたとき、この「箔の削り出し」が持つ静かな質感なら、その神秘的な空気を自然に表現できると感じ、この作品で挑戦することにしました。

巫女の姿ではなく、「神様の印象」を描く

宇迦之御魂神は、お稲荷様と同一視されることも多く、巫女のような姿で描かれることが少なくありません。

今回もその印象は残しながら、私自身が感じる「宇迦之御魂神」という存在を表現したいと思いました。

神秘性の中に静かな気品があり、同時に豊穣の神として生命の息吹や実りも感じられる——そんな姿を目指しています。

描きながら見えてきた表情

黄金テンペラで描いた宇迦之御魂神の顔のアップ。伏し目がちな穏やかな表情と金箔の装飾が印象的な神仏画。

ラフの段階では、実は表情までは決まっていませんでした。

テンペラは何層にも色を重ねながら少しずつ形を育てていく技法です。

描き進めるにつれて少しずつ表情が定まり、自分の中でも「宇迦之御魂神らしい」と思える姿へ近づいていきました。

制作の途中には、この作品と対になる、もう一枚の宇迦之御魂神のイメージも自然と浮かんできました。

個展では、向かい合う一対の作品として制作できたらと考えています。

技法も少しずつ自分の表現へ

黄金テンペラで描いた宇迦之御魂神の髪飾りと稲穂の装飾部分。金箔の削り出しや刻印による細密な質感が見えるアップ。

テンペラを始めてから、刻印や盛り上げ、金箔の磨きなど、少しずつ新しい技法に挑戦してきました。

今回の「箔の削り出し」も、その積み重ねの中から生まれた表現のひとつです。

これからも古典技法を大切にしながら、自分らしい表現へと育てていきたいと思います。

制作過程動画

最後に制作過程動画をまとめましたので、ご覧ください。

宇迦之御魂神とは?

宇迦之御魂神の神話や、お稲荷様との関係、ご利益などについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

宇迦之御魂神とは? お稲荷様との関係・ご利益・神話を解説

日本の神様・仏様の作品一覧

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宇迦之御魂神の顔と髪飾りのアップ。金箔の削り出しや刻印、稲穂の装飾など黄金テンペラならではの細密な表現が分かる作品部分。

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