阿弥陀如来とは?|特徴・ご利益・歴史を徹底解説!

    皆さま、こんにちは。
    幻想画家の奥田みきです。

    今回は、念仏「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」で有名な阿弥陀如来(あみだにょらい)について、

    「どんな意味を持つ仏さまなの?」
    「ご真言はどのような言葉なの?」
    「どんなご利益があるの?」

    といった基本的な情報や特徴について、分かりやすくご紹介していきます。

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    阿弥陀如来さまは、その絶大な信頼・人気から
    「大乗仏教で最も信仰されている仏さま」
    ともいわれているんだ。
    日本史においても重要な仏さまで、
    浄土宗・浄土真宗が興った時代、
    多くの人の心を救ったんだよ。
     

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    目次

    阿弥陀如来とは?

    阿弥陀如来(あみだにょらい)は、浄土宗・浄土真宗といった、いわゆる「浄土系」宗派のご本尊として知られています。

    動物を含む、生あるもののすべてを救う慈悲深い仏さまで、その存在は日本でも7世紀初め頃には伝わっていました。

    「念仏により浄土に往生できる」という、

    いわゆる阿弥陀信仰が鎌倉時代に盛んになったことから広まり、日本では浄土宗・浄土真宗・時宗といった浄土教宗派が興っています。

    阿弥陀如来の意味

    阿弥陀如来の「阿弥陀」とは、
    無量寿・無量光という言葉の
    サンスクリット語を訳したもので、
    寿命は限りなく、光はあらゆる国々・人々を照らす
    という意味になります。

    また、阿弥陀如来は「四十八願」という誓願を立て、その中には、

    「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と念仏を唱えたあらゆる人々を、必ず極楽浄土へと導く

    という教えもありました。

    この教えは、日本でも多くの人に理解・支持され、現代の日本でも阿弥陀如来の存在・功徳を知る人は少なくありません。

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    「浄土(じょうど)」っていうのは、一切の煩悩・けがれのない、仏さま・菩薩さまが住まう清浄な国土のこと。
    極楽浄土・または西方極楽浄土は、阿弥陀如来さまがいらっしゃる
    浄土のことをいうんだよ。

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    念仏と阿弥陀如来の広まり

    念仏・阿弥陀信仰はとても分かりやすいもので、厳しい修行・難しい勉強をしなくても、さらには文字が読めない人でも覚えやすく唱えやすいため、全国各地の庶民に広まっていきました。

    庶民の間で阿弥陀信仰が広まったのは、平安時代中期以降に発生した戦乱・天変地異が大きな原因の一つといわれています。

    現代でも、バブル崩壊・リーマンショック・増税などを理由に、日本で暮らす人々の生活は厳しいものとなっています。

    しかし、当時の生きにくさはそのレベルをはるかに凌駕しており、庶民にとっては明日の命さえまったく保障されないような時代だったのです。

    やがて、人々は現世の幸福をあきらめ、来世に幸せを託そうと考えるようになります。

    そのような中、「南無阿弥陀仏」と唱えることで、誰でも阿弥陀如来がいらっしゃる浄土に行けると教えられれば、明日に希望のない苦しい世界から離れたいと考えるのは当然のことでしょう。

    法然と親鸞

    この教えを庶民に広く説いた、有名なお坊さんが「法然(ほうねん)」です。

    法然の教えはより先鋭化し、その弟子である親鸞(しんらん)」は、ダメ人間・悪人さえも阿弥陀如来を信じれば極楽浄土へと導いてくれると説くようになり、とうとう肉食・妻帯まで許される浄土真宗の開祖となりました。

    当然、仏僧のように厳しい戒律に縛られない庶民にも受け入れられ、戦国時代には一大勢力を築き、現代でも強い信仰が残っている地域があるほどに定着しました。

    阿弥陀如来の見た目の特徴

    阿弥陀如来は、上半身に袈裟を1枚着ているだけなので、シンプルなデザインの仏像・仏画の印象が強いかもしれません。

    しかし、特徴的な部分もあり、立像にはいくつもの光の筋が放射線状になっている「放射光(ほうしゃこう)」の光背のものが多く見られます。

    阿弥陀如来が光を背にしているのは、光のない闇の中にある人々を観察して、大悲の力で人々を照らし永遠に救い続けるためです。

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    光背の中には、48本の線で成り立っているものもあって、
    これは四十八願に由来するとされるんだよ。

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    阿弥陀如来の最大の特徴「九品印(くほんいん)」

    阿弥陀如来を阿弥陀如来たらしめる、その見た目の特徴は、他の仏像に比べるとシンプルです。

    それが「九品印(くほんいん)」で、阿弥陀如来の特徴的な手の形(印相)9つのことをいいます。

    阿弥陀如来は、念仏を唱えれば誰でもお救いくださる仏さまですが、その人の生前の行い・信仰の篤さによって往生の仕方が異なり、それを以下9つの印相で示しているとされます。

    ○上品上生(じょうぼんじょうしょう)
    ○上品中生(じょうぼんちゅうしょう)
    ○上品下生(じょうぼんげしょう)
    ○中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)
    ○中品中生(ちゅうぼんちゅうしょう)
    ○中品下生(ちゅうぼんげしょう)
    ○下品上生(げぼんじょうしょう)
    ○下品中生(げぼんちゅうしょう)
    ○下品下生(げぼんげしょう)

    最も良いのは「上品上生」で、息を引き取った際は阿弥陀如来が大勢の供を従え、しかもすぐに極楽往生となるケースです。

    そして、下になればなるほど阿弥陀如来の迎えもさびしいものになり、生前悪逆の限りを尽くした下品下生ともなれば、日輪の形をした蓮華が迎えに来るだけで、極楽往生するまでに永遠ともいえる時間(十二劫:43億2千万年×12)が必要とされます。

    ちなみに、浄土真宗はご本尊が立像となっていますが、阿弥陀如来で立像が比較的多いのは、信仰する人の「早く阿弥陀如来様に迎えに来て欲しい」という願いが表れているとする見方もあります。

    阿弥陀如来のご利益

    阿弥陀如来は、基本的には「存在を信じて念仏を唱える」ことで、極楽浄土に連れて行ってくれる仏さまです。

    しかし、阿弥陀如来の功徳を具体的に聞かれると、よく分からない人も多いかもしれません。

    阿弥陀如来は、宇宙そのものである大日如来の性格の一つ「妙観察智(みょうかんざっち)」の功徳を司っています。

    万物が持つ個性や特徴を見極め、その個性を最大限に生かし、救済してくれるのです。

    自らに与えられた命を真摯に使い切り、大きな願いをかけてそれを成就するため生きようとする人を、阿弥陀如来は必ず見ていてくれることでしょう。

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    阿弥陀如来さまは、人々の罪を消してくださる仏さまだけど、
    実は恋愛などの人付き合いでも力をお貸しくださる一面も持っているんだ。

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    阿弥陀如来のご真言

    オン アミリタ テイセイ カラ ウン

    阿弥陀如来の梵字

    キリーク

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    阿弥陀如来の守り本尊

    阿弥陀如来は、戌・亥年生まれの方の守り本尊です。

    他の生まれ年の守り本尊については、こちらでご紹介しています。

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    阿弥陀如来が密教で見せる顔

    阿弥陀如来は、九品印などの特徴を除けば、比較的素朴な印象の仏さまです。

    しかし、他宗派でも阿弥陀如来は信仰の対象であり、密教ではまた違ったお姿を見せてくれます。

    紅頗莉色阿弥陀如来(ぐはりしきあみだにょらい)

    先ほど、阿弥陀如来は立像が多いとお伝えしましたが、密教で拝まれる阿弥陀如来は坐像で、さらに孔雀(くじゃく)・金剛杵(こんごうしょ)の上に乗るお姿をしています。

    密教では、心を一つに定めた「定(じょう)」に入っている仏さまとして、「弥陀定印(みだじょういん)」を結んだ坐像の阿弥陀如来として拝みます。

    この坐像の阿弥陀如来を「紅頗莉色阿弥陀如来(ぐはりしきあみだにょらい)」といい、阿弥陀如来と大日如来の智慧を表しています。

    ちなみに、紅頗莉色(ぐはりしき)という色をよく知らない人も多いと思いますが、この色は以下の色が混ざり合った色を意味しています。

    ○阿弥陀如来の色 :「紅色」と「頗莉色(はりいろ)」
    ○大日如来の色 :「水精色(すいしょういろ)」

    脇侍(わきじ)

    阿弥陀如来の脇侍は、宗派によって異なりますが、基本的には以下の配置となります。

    ○右手(向かって左手):勢至菩薩(せいしぼさつ)

    勢至菩薩は、足をただ投じただけで三千世界・悪魔の宮殿を震動させるほどの力を持ち、智慧の光であまねく一切を照らし、人々を迷い・苦しみから救うとされています。


    ○左手(向かって右手):観音菩薩(かんのんぼさつ)

    観音菩薩は、人々を常に観ていて、救いの声があれば瞬く間に救済するとされる、とても優しい仏さまです。

    なお、この配置を「阿弥陀三尊」といい、主に浄土宗で見られる配置です。

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    阿弥陀如来の台座

    阿弥陀如来の台座は、蓮華座(れんげざ)という、比較的ポピュラーなデザインが採用されているケースが多く見られます。

    また、蓮華座は、阿弥陀如来に限らず、菩薩像・明王像などにも用いられています。

    蓮華は仏教のシンボルでもあり、泥をはじき綺麗な花を咲かせる蓮華は、仏教における涅槃の境地を連想させます。

    阿弥陀如来の有名寺院

    阿弥陀如来は、全国的に人気のある仏さまなので、日本の様々な寺院で祀られています。

    本記事では、その中でも特に有名な3寺をご紹介します。

    鎌倉大仏殿高徳院

    誰もが知っている「鎌倉の大仏」ですが、実はあの大仏は阿弥陀如来だということをご存じでしょうか。

    こちらは、神奈川県鎌倉市にある高徳院の本尊で、国内外・宗派を問わず多くの仏教徒の信仰を集めています。

    もともと大仏殿がありましたが、台風・大津波のため倒壊したことから、室町時代の末までには「露坐の大仏」となりました。

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    信州善光寺

    信州善光寺は、長野県長野市にある、創建されてから約1,400年にわたり続いてきたお寺です。

    特定の宗派に属さない無宗教の寺として知られていますが、運営は天台宗・浄土宗の両宗派によって行われています。

    ご本尊は、一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)【善光寺如来】といい、一つの光背の中に三尊(中央に阿弥陀如来、両脇に観世音菩薩、勢至菩薩)が配置された様式で、善光寺式阿弥陀三尊像と呼ばれることもあります。

    [blogcard url=https://www.zenkoji.jp/]

    平等院

    平等院は、京都府宇治市にある、平安時代から続く由緒正しいお寺です。

    堂内には、平安時代の最高の仏師「定朝」によって制作された丈六の阿弥陀如来像が安置され、世界遺産にも登録されています。

    [blogcard url=https://www.byodoin.or.jp/]

    まとめ

    阿弥陀如来は、厳しい時代から多くの人を浄土へと導いてきた、魅力的な仏さまです。

    阿弥陀如来を信仰する人々が唱えてきた南無阿弥陀仏とは、「阿弥陀様にすべてお任せする」するという意味であり、自力ではなく仏の力により成仏する「他力本願」の教えにもつながっています。

    もし、自力で取り組み続けることに辛さ・苦しさを感じるようになったときは、阿弥陀如来に願いを伝えてみてはいかがでしょうか。

    きっと、あなたが極楽浄土へとたどり着けるよう、魂の炎を燃やし尽くせるよう、お力を貸してくれることでしょう。

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    この記事を書いた人

    神仏画・龍神画・幻想絵画を描く画家・イラストレーター。
    30年以上にわたり活動を続け、オラクルカードの制作や講師としても多くの経験を重ねてきました。
    オラクルカードは国内外で出版され、代表作に『光の龍神カード』『日本の密教カード』などがあります。
    また、星曼荼羅など、寺院からのご依頼による仏画も手がけてきました。
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