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アクリル絵の具と水彩絵の具の違い

こんにちは。画家・イラストレーターの奥田みきです。

水彩絵の具とアクリル絵の具は、アナログ画材の中でも良く使われる画材ですよね!

私も両方の画材を良く使いますので、今日は水彩とアクリル絵の具の特徴や使い分けについてご紹介しますね。

アクリル絵の具と水彩絵の具の違い、先に結論から言ってしまいますと…

 

アクリル絵の具と水彩絵の具(ここでは透明水彩絵の具のことです)の違いを検索すると、材料の違いとか、描ける材質の違いとか色々出て来ますね。

そういった基礎的な知識もちろん大事ですので後ほどご紹介しますが、私はこの二つの絵の具を扱う時に一番の違いだと思っているのが

 

「白を載せるのか、白を残すのか」だと思っています。

 

透明水彩絵の具は基本的に「白」の部分は塗り残したり、マスケットインクで抜いたりします。

一方のアクリル絵の具は「白を塗り重ねます」。

分かり易く白い花を描いた2枚を並べてみました。

いかがですか?

見た目の違いがかなりあると思います(ちなみにどちらも同じ水彩紙に描いています)

左の青い方がアクリル絵の具で、右の百合が水彩絵の具です。

 

それぞれの塗り順の違い

 

アクリル絵の具と水彩絵の具は塗る順番も違いますので、それぞれの塗る過程を簡単にご紹介してみますね。

 

アクリル絵の具の塗り順

  1. この絵は大きな絵の部分ですが、先に下地の濃い色を塗ります。
  2. 次に薄めの白で全体を描き起こします
  3. その後、固有色を塗っていき、花の白い部分は最後に「白」で塗ります。

 

透明水彩絵の具の塗り順

  1. 一方の水彩絵の具の方は白い部分は塗り残します。最初は白い部分を綺麗に塗り残すのは難しいので、マスケットインクを使うと便利です。
  2. まずマスケットインクで花の部分を塗ります。
  3. 背景を塗った後、マスケットインクを剥がします。そうすると、マスケットインクで覆った部分が白抜きされています。
  4. その後、白い花の影を塗ります。

 

 

マスケットインクとは、塗りたくない部分を覆っておく液体のゴムのことです。

ホルベイン 水彩用メディウム マスキングインク

 

下記のような、はっきりとした白抜きはマスケットインクを使っています。

 

次の項目からはもっと具体的に、アクリル絵の具と水彩絵の具の違いを見ていきますね。

アクリル絵の具と水彩絵の具 材料の違い

 

アクリル絵の具と水彩絵の具は製造過程でのバインダーが違います。

(バインダーとは顔料(色の粉)を接着させるためのものです。)

実はどの絵の具も粉は同じで、バインダーの違いで別の絵の具になります。


顔料+アクリルエマルション=アクリル絵の具


顔料+アラビアゴム=水彩絵の具

 

描ける材質の違い

 

 

アクリル絵の具はさまざまな材質に描ける!

アクリル絵の具は水で溶くだけですと定着力が弱いですが、色々なメディウムを使う事で、様々な材質に描くことが出来ます。

アクリル絵の具で描く時に良く使われるものは、キャンバス、紙、板などです。

それ以外にも布やガラスに描く為のメディウムも販売されています。

 

布メディム

【ターナー色彩 アクリルガッシュ ファブリック メディウム 布用】

これを使うとTシャツなどにも絵を描くことが出来ます、実際に描いたこともありますが、洗濯しても大丈夫でした!

【ホルベイン アクリリックメディウム 金属・ガラス用プライマー 水性】

こちらはガラスに定着させるためのメデュムです。

 

 

 

水彩は基本は紙に描く

水彩絵の具は基本的には水彩紙に描きます。

「クレサンジャパンの 水彩キャンバス 」などの水彩用のキャンバスももありますが、一般的には水彩画でパネルを使いたい場合には水、彩紙をパネル貼りすることが多いです。

 

 

一般常識に捕らわれない使い方をする方もありますが
アクリル絵の具=紙、キャンバス、板などを使い、
水彩=紙 という感じです。

アクリル絵の具と水彩絵の具・表現の違い

 

 

アクリル絵の具の表現

アクリル絵の具は表現の幅が広いため、色々なタッチがあります。

油絵のように盛り上げるためのメディウムや、滑らかなグラデーションを描くためのメデュムも豊富です。

アクリル絵の具で描くことが出来る画風を大きく分類してみると下記のようになります。

(もちろん無限と言って良い程の画風がありますので、これは一例です)

 

  • 油絵のように塗り重ねてタッチを出す絵
  • 滑らかで精密な写実絵
  • 薄めに溶いて、水彩画のように描く

 


水彩絵の具の表現

水彩は基本的には水で溶いて、透明感を活かした絵を描きます。

下記の様な画風に向いています。

 

  • ぼかしを活かした、透明感のある風景画や人物画、植物画など
  • ボタニカルアートや動物画などの繊細な描写
  • 絵本やエッセイの挿絵のようなさらっとした塗り
  • 屋外でのスケッチ

 

描くスピードの違いや難易度

 

アクリルでもざっくりと描くタイプの絵もあれば、時間を掛けて塗り込む画風もありますので、一概にどちら早く描けるかとは言えません。

ちなみに私の場合ですと、アクリル絵の具で描く時の方が水彩絵の具の倍は時間がかかります。

 

難易度については、どんな画材でも「極める」レベルになるとどれも難しいのですが、初心者が最初に入りやすいのは、水彩画の方だと思います。

実際私の教室でも、初心者の方には水彩画かパステル画をお勧めしています。

アクリル画が難しいというよりも、色々使い方のバリエーションが豊富なので、自分にあった描き方をやメディウム、材質などを見つけるの少し大変と言う感じでしょうか?

 

実際の作品を比べてみます

 

同じ観音様を描いた絵がありますので並べてみますね。

左が水彩画。右がアクリル画です。

材質はどちらも「水彩紙」ですが、水彩画の方は紙に何の処理もせずに紙のタッチを活かして塗っています。

一方のアクリル画は、下地に色々仕込んで、その上に「白」系の絵の具で描き起こしています。

ご覧のように、できあがりの印象がかなり違いますよね。

 

▼水彩画の観音様はこちらで制作過程をご紹介しています。

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まとめ

 

どちらの画材も、それぞれの良さがあり、多くの愛好者のいる画材です。

仕上った後の強度などの違いもありますが、どんなタッチで描きたいのかが、画材を選ぶ重要なポイントです。

気になった方は両方少しずつ購入して試してみるのも面白いですよ!

 

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