こんにちは。
幻想画家の奥田みきです。
今回は、古代中国の五行思想をもとにした「五龍神」という五柱の龍神様について、
- 「どういう龍神様なの?」
- 「五行思想って何?」
- 「どんなご利益があるの?」
- 「田無神社と五龍神の関係は?」
といった疑問に分かりやすくお答えしていきます。
龍神というと、仏教の八大龍王などが有名で、中国の思想や文化を色濃く受け継ぐ龍神様には馴染みがない方も多いでしょう。
この記事から五龍神の由来やご利益について知っていただき、親しみを感じてもらえたら嬉しいです。
今日は「五行思想」由来の「五龍神」についてお話しするよ
五龍神とはどんな龍神様?
五龍神とは、中国発祥の五行思想から生まれた、五柱の龍神様の総称です。
五行思想は、紀元前300年頃に鄒衍(すうえん)という思想家が作った歴史ある思想で、現代でも「陰陽」の考え方や「九星気学」という占いなどで活用されています。
五龍神の特徴やご利益は、この五行思想と密接な関わりがあります。
ここからは五行思想について、龍神様と関係する部分をピックアップして簡潔に解説していきます。
五行思想は詳しく解説すると長くなるため、五龍神に関連する部分を抜粋してお届けしますね!
五行思想とは?
五行思想は、一言で表すなら「自然界の法則」のことで、5つの元素はお互いに影響したり一定のサイクルを繰り返しながら自然の摂理を作り出しています。
【木】春を象徴する、万物の発育や成長に関わる元素。
【火】夏を象徴する、万物のエネルギーを表す元素。
【金】秋を象徴する、金属のように頑丈な性質を持つ元素。
【水】冬を象徴する、海や胎内のような生命の源泉を表す元素。
【土】土用(季節の変わり目)を象徴する、万物を育成する元素
五行思想が主流だった当時の中国では、色や方位・生物・感情・神様などなど、この宇宙のすべてを5つの元素に分類して、生活に役立てていました。
そしてこの五行思想によって5つの役割に分けられた龍神様が、今日知られる「五龍神」なのですね。
龍の色・五龍神の特徴とご利益
ここからは、五龍神のそれぞれの特徴やご利益について詳しくご紹介します。
今回は「五行思想」に基づいた解釈のみを掲載しますので、スピリチュアル視点での記事はまた後日制作します。
写真は田無神社の五龍神です。
青龍神(木)・東方の守護者
春を象徴し、万物の発育や発展を促すという性質から、青龍神には商売繁盛や学業成就・芸能上達といった成長や繁栄を促すご利益があります。
木というと緑色のイメージがありますが、東洋では「青葉」や「青信号」と言うように緑色の観念が薄く、自然を象徴する木の元素は、青色の龍が担っているのですね。
赤龍神(火)・守護者守護者
夏を象徴し、万物のエネルギーの強さに関わる性質から、赤龍神には出世や勝負事・目標達成といったご利益があり、努力の実現を後押ししてくれます。
火は「情熱」や「恋」にも例えられるように、赤龍神のご利益にあやかることで、人生を前向きに歩むための気力や勇気が与えられるでしょう。
白龍神(金)・西方の守護者
金とは自然界における金属や鉱物のことで、万物の頑丈さを象徴する元素です。
白龍神は秋を象徴し、春〜夏にかけて育った作物を収穫するサイクルを司ります。
そのため白龍神からは、五穀豊穣や金運アップ・恋愛成就といった「実り」に関するご利益を預かることができます。
黒龍神(水)・北方の守護者
冬を担当する黒龍神は、生命に欠かせない水を守護するという性質から、健康長寿や病気平癒などのご利益があります。
また冬は、次の春を迎えるための準備期間でもあることから、黒龍神には家内安全や夫婦円満といった「守る」「保つ」ことに関するご利益にあやかることもできます。
金龍神(土)中央の守護者
土用というと夏のイメージがありますが、正確には「立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間」は、すべて土用にあたります。
そんな季節の変わり目を司る金龍神は、次の季節へのスムーズな変化をもたらす力があり、開運や幸福招来といった物事を好転させる力があります。
豊かな土から健やかな木々が生えるように、金龍神にご挨拶をすれば、幸先の良いスタートを切ることができるでしょう。
金龍は本殿の中で祀られていますので、他の龍神様のような撮影は出来ません
五龍神を祀る田無神社とは?
東京都西東京市田無町に鎮座する田無神社は、今から約800年前の鎌倉時代に建立された、五龍神を祀る有名な龍神神社です。
田無神社の主祭神は、級津彦命(しなつひこのみこと)・級戸辺命(しなとべのみこと)、大国主命です。
現在では五行思想を基に、本殿に級津彦命・級戸辺命として金龍を、また、境内には黒龍、白龍、赤龍、青龍の五龍神が祀られています。
田無神社の境内には、五行思想の5つの方位に従って、「東に青龍神、南に赤龍神、西に白龍神、北に黒龍神、中心に金龍神」が祀られ、それぞれの方位を守護しています。
一柱の龍神様でもそのご利益は強力ですが、田無神社には五柱もの龍神様が御祭神となっていることから、龍神好きにとっては全国屈指のパワースポットでもあります。
一楽萬開
(画像は「切り絵御朱印」です)
五龍神を祀る珍しい神社ということもあり、田無神社は龍神様への参拝方法も独特です。
ここからは、田無神社を訪れたらぜひ受けたい「一楽萬開」と「方位除け祈祷」についてご紹介します。
田無神社には、「一楽萬開(いちらくまんかい)」という独特の開運方法があります。
一楽萬開のご利益を預かるには、11月23日(新嘗祭)から2月3日(節分祭)の間に「一楽萬開札」を社務所で授与してもらう必要があり、時期を過ぎると御札を受け取ることができなくなります。
良縁や幸運を次々に引き寄せたり新年からスタートダッシュを切りたい方は、一楽萬開の時期に田無神社を訪れて、龍神様から最初の「楽」を受け取りましょう。
方位除け祈祷
田無神社では、九星気学によって自分の凶方位を知り、各方位を守護する五龍神に開運を願う「方位除け祈祷」を受けることもできます。
九星気学とは、生年月日から人の性格やその年の吉凶などを占える、五行思想をもとにした占術のこと。
今年が「鬼門」や「八方塞がり」などの凶方位にあたる方は、方位除け祈祷によって悪運を避け、平穏無事な1年を過ごすことができるでしょう。
ご自身が方位除けの年に該当するかどうかは、田無神社のホームページの「方位除表」で簡単にチェックできますので、参考にしてみてください。
吉方位に「一楽萬開札」を祀って楽を引き寄せ、凶方位の邪気は「方位除け祈祷」で龍神様に守ってもらうことで、首尾よく開運していくことができるでしょう。
五龍神のご神木
ここからは少し境内の様子をご紹介します。
境内には五龍神の像の他にも、五龍神もご神木もあります。
金龍はこちらのご神木
それぞれ、触ることが出来ますので、ご縁のある色の龍神様からパワーを貰ってくださいね!
境内の龍神様
五龍神の他にも至る所に龍神様がいらっしゃいますので、探してみてくださいね!
龍神以外の神社
田無神社では龍神以外の神様も多く祀られています。
幾つかご紹介しますね。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りする津島神社
野分初稲荷大社
恵比寿・大黒社
田無神社公式HP
まとめ
いかがでしたか? 五行思想から生まれた五龍神には、5つの元素にならった個性的な特徴やご利益があります。
ここまでお読みいただき五龍神に興味を持ってくださった方は、ぜひ田無神社を訪れて、開運や願望成就を龍神様に願ってみてくださいね。
龍神関係の記事の目次
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