准胝観音とは？仏教における役割・ご真言・八大龍王との関係を紹介

日本全国の有今回ご紹介するのは、「子宝・安産の観音さま」として知られる准胝観音菩薩（じゅんていかんのんぼさつ）です。
密教や観音信仰の中でも特に独自の特徴を持ち、八本の腕（八臂）をもつそのお姿には深い意味が込められています。

この記事では、准胝観音のご利益や真言（マントラ）、仏教における位置づけ、そして全国のゆかりの寺院まで、幅広く解説しています。

信仰の参考はもちろん、仏像や仏画に興味のある方にもおすすめの内容です。
有名な准胝観音の寺院もご紹介していますので、ぜひご覧ください。

准胝観音とは？ ─ 多くの仏を生み出す母なる菩薩

准胝観音菩薩（じゅんていかんのんぼさつ）は、仏教に登場する慈悲深い菩薩の一尊で、特に真言宗や天台宗で信仰されています。
別名「準胝仏母（じゅんていぶつも）」とも呼ばれ、「無数の仏を生み出す母」とされることから、子宝や安産、家庭円満の仏様として崇敬を集めています。

准胝観音の姿は非常に特徴的で、「一面三眼十八臂（いちめんじゅうはっぴ）」――一つの顔に3つの眼、十八本の手を持つ形で表されます。
一見すると千手観音に似ていますが、手の数はそれほど多くありません。

経典によっては、二臂や四臂の姿で描かれることもありますが、日本ではこの十八臂の姿が主流となっています。

この姿は、すべての方向へ慈悲の力を差し伸べ、あらゆる願いに応える存在であることを示しています。

八大龍王（はちだいりゅうおう）は、仏教において水や天候を司る龍族の守護神であり、密教では観音菩薩の眷属や脇侍として描かれることもあります。
とくに准胝観音像では、足元に2柱の龍王が配される姿が見られます。

通常は人の形で描かれますが、龍の姿で描かれることもあります。

難陀龍王（なんだりゅうおう）
八大龍王の長兄格で、大海を治め雨をもたらす存在。農耕や航海安全を願う人々から厚く信仰されてきました。

沙掲羅龍王（しゃがらりゅうおう／サーガラ）
海の深淵に住むとされる龍宮の王で、水難除けや法華経信仰とも縁が深く、観音信仰においても重要な守護神とされています。

このように、准胝観音の足元に描かれる龍は、単なる装飾ではなく、仏の功徳を支える霊的な象徴として重要な意味を持っています。

准胝観音は、「六観音」の中の一尊に数えられています。

六観音とは、六道輪廻（地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天）それぞれに対応する六種の観音であり、准胝観音は主に「修羅道」または「人道」を救済するとされています。

准胝観音には次のような真言（マントラ）があります。

オン・シャレイ・シュレイ・ジュンテイ・ソワカ

この真言を繰り返し唱えることで、厄除け、開運、心願成就などさまざまな功徳があるとされています。

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日本での准胝観音信仰は、弘法大師・空海による高野山の開基と深く関係しています。
空海は高野山に「准胝堂」を建立し、弟子の得度（出家の儀式）において准胝観音を本尊として祀ったと伝えられています。
そのため、高野山における准胝観音の存在は特別な意味を持ち、今もなお多くの参拝者が訪れています。

日本各地には、准胝観音菩薩を本尊として祀る由緒ある寺院が存在します。

この寺院には六観音が祀られており、さまざまなご利益を願う人々に信仰されています。
本堂は国宝に指定されており、「おかめ信仰」でも知られる。

これらの寺院では、准胝観音に関連した法要や年中行事も多く開催されており、訪れることで仏教文化の豊かさを感じられるでしょう。

「准胝観音とは何か？」という問いの答えは、一言でいえば「母性と慈悲の象徴」です。
そのお姿や真言、ご利益、寺院の存在に触れることで、多くの人が安心と祈りの光を受け取っています。

仏教の奥深さを感じる「准胝観音」の信仰。
ぜひご自身の祈りとつながる菩薩として、日々の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

「准胝観音」
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