
天界の記憶に触れる──メタトロンという存在について
こんにちは、幻想画家の奥田みきです。今回は、大天使メタトロンについてお話しします。
メタトロンは、ユダヤ神秘主義やカバラ、エノク書といった文献に登場し、神の書記官として宇宙の秩序を記録し、時に私たちの内なる導き手ともなる存在です。
中でも特に有名なのが「メタトロンキューブ」と呼ばれる神聖幾何学図形で、スピリチュアルな世界では浄化や守護、エネルギーワークの象徴として多くの方に親しまれています。
この記事では、メタトロンの名前の由来やそのスピリチュアルな役割、メタトロンキューブの意味、さらには祈り方やつながり方までを丁寧に解説していきます。
メタトロンとは?天界で最も人間に近い存在とされる天使
メタトロンは、ユダヤ神秘主義やカバラにおいて非常に重要な存在とされる天使です。しばしば「神の書記官」や「天界の代弁者」と呼ばれ、人間と神の世界をつなぐ役割を担っています。
名前の意味と由来
「メタトロン」という名前の語源ははっきりしていませんが、ギリシャ語の「meta」(〜を超えて)と「thronos」(玉座)に由来するという説があります。これは「神の玉座を超えて近くにいる者」という意味合いを持つと考えられています。
また、ユダヤ教の伝承では、預言者エノクが昇天して変容し、メタトロンになったという説もあります。
エノク書とメタトロンの変遷
メタトロンの起源は『エノク書』にあります。この外典では、エノクは地上で高徳な生を送り、神によって天に召され、天使へと変容します。後にこの姿がメタトロンと同一視され、「人間から天使になった存在」とも言われています。
エノクは天界で神の記録を司る役割を与えられ、天使メタトロンとして非常に高い地位を持つようになります。
メタトロンとカバラの生命の樹
カバラの体系において、メタトロンは「生命の樹」の頂点に位置するセフィラ「ケテル(王冠)」と結びつけられています。また、「生命の樹」の全体構造を司る存在としても語られ、宇宙的秩序や神の意志を人間の次元に伝える存在とされています。
このため、スピリチュアルな成長や悟りを目指す人々にとって、メタトロンは導き手として非常に重要な存在です。
メタトロンキューブの意味と活用

メタトロンの名を冠する神聖幾何学図形「メタトロンキューブ」は、13個の円から構成され、生命の樹や五つのプラトン立体(宇宙の構成要素)を内包する形として知られています。
この図形は以下のような意味や働きを持ち、さまざまな場面で活用されています:
- 宇宙の秩序を象徴する
- 浄化と守護のシンボルとして用いられる
- エネルギーの調整や空間の浄化に活用される
- 神聖な次元へのゲートウェイとも考えられている
幾何学的な「完全な調和の構造」を持つこの図形は、物質界とスピリチュアルな次元の橋渡しとしても重視されています。
メタトロンキューブを使った瞑想ステップ

特に瞑想に取り入れることで、次のような効果が期待できます:
- 内なる秩序や魂の中心とつながる
- 深い集中状態に入りやすくなる
- 精神を安定させる
- 心と空間の浄化につながる
以下は、初心者でも取り組みやすい基本的な瞑想法です。
- 静かな場所で座り、目を閉じて深呼吸を数回繰り返します。
- 心の中でメタトロンキューブの形をイメージします。
- その中心に意識を集中し、そこから広がる光を感じます。
- 光が自分の内側に広がり、調和と安心が満ちていく様子を味わいます。
- 感謝の気持ちを込めて、ゆっくりと意識を日常に戻します。
この瞑想は数分でも十分効果があります。慣れてきたら、自分なりの祈りやアファメーションを加えるのもよいでしょう。
まとめ
この記事では、ユダヤ神秘主義やカバラに登場する天使メタトロンについてご紹介しました。
とくに「メタトロンキューブ」は、瞑想やエネルギーワークに活かせる象徴的な図形として、多くの人に親しまれています。
目に見えない世界とつながるための導き手として、メタトロンの存在があなたの内なる旅を照らす光となりますように。
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