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【日本の密教カード】と神仏画を描くこと

こんにちは。「日本の密教カード」をご存じの方も

「日本の密教カード」というタイトルが気になって

このページにアクセスして下さった方もありがとうございます。

 

私はこのカードの作画とオラクルのメッセージを手がけた

画家・イラストレーターの奥田みきです。

 

私は長年西洋物の絵を描いて来ましたが、近年になって仏画描くようになりました。

しかし「仏画」は本来は信仰の為にあるもの。

「仏様」を描くことは一筋縄ではいかず、迷いや葛藤が沢山ありました。

 

今回は「日本の密教カード」の発売に至った経緯などを絡め、「神仏画」を描くことについてお話させて頂きます。

 

宜しければお付き合いくださいね。

 

仏画を描きはじめて見たものの…

 

 

私は十代の頃から仏像が大好きでしたが、仏画の世界はとても敷居が高いと感じていたため、自分自身で描くことはありませんでした。

 

しかし両親が他界した後の喪失感や、仕事で疲弊していた心を癒やしてくれたのは

「仏画を描くこと」でした。

 

穏やかなお顔の仏様を描くことは、自分自身を見つめ直す時間でもあり、亡くなった人への想いを絵の中に込める時間でもありました。

そんなこともあって、私の描く仏様のお顔にはどこか両親の面影があります。

 

自分自身を癒やしてくれた仏画の世界。

「仏画」から伝わる仏様の優しやさ癒しを、私以外の人にも感じて頂ければ…。

そんな想いもあり、本格的に仏画を描きはじめることになるのです。

 

 

▼仏画を描くことになった経緯はこちらにも記載していますので、ご興味のある方はご覧下さいね。

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仏師の先生の講座へ通う

 

私は絵を描くに当たって、題材にするテーマはできる限り学びたいと思っています。

神話を書くなら神話の勉強を、人物なら解剖学を、オラクルカードの絵を描くなら占いを学ぶ。

実際にその時々で、「テーマにする題材」について色々学んで来ました。

 

仏教や仏像は昔から好きだったので、「それなり」には知っているつもりでいました。

しかし、いざ自分で本格的に仏画描こうと思うと、漠然とみているのとは違い

実際は知らないことだらけでした。

 

見る資料によってポースも色々あって、正解が分からない。

「本だけは分からないので、専門家の方にお話を聞きに行こう」そう思い

「仏師の教える・仏像講座」に通うことにしました。

 

「仏画を描いて良いの?」という名の迷宮に迷い込む

 

 

その講座の先生は天台宗の僧侶でもある仏師で、お若いですが職人気質でお話も面白く、質問などにも気さくに答えて下さる方でした。

仏師としての仕事への姿勢や、現場の方ならではのお話もとても面白く、2年ほど通いました。

しかしそうやって色々教えて頂く中で、私の中で一つの疑問が浮かんで来てしまったのです。

 

「私が仏画を描いて良いのだろうか?」

 

というのも先生は常々

「信仰の為の仏像と、美術としての仏像は違う」

「仏像は美しければ良い物ではない」

と仰っていていたからです。

 

私が絵を描いていることは先生にはお話していませんでしたが

「でも、自分の描くのはその”美しい仏画”だし…」

というジレンマに陥ってしまい

 

「私が仏画を描いて良いの?」

という名の、迷いの森に入り込んでしまったのです。

 

迷いながらも描き続ける

 

 

「仏様の世界」は仏教の教えと信仰の元、長い歴史の中で出来上がって来たものです。

仏画や仏像の世界に携わる方も、工房で長期間修行を積んだ仏画師や画僧の方々……。

 

そんな方々が扱っている「仏様」を私が描いて良いのか?

仏様が好きだから描きたい、では駄目なのだろうか?

 

私も”絵のプロ”として、常に真摯に仕事をしてきたつもりですが

この問題は今まで絵描きとして積み上げて来た経験とは、勝手が違っていました。

 

しかも一部の人には

「あなたの絵は仏画には向かないのでは?」とも言われました。

 

今思えば明らかに考え過ぎなのですが、ずっと昔から大好きだった仏様だからこそ、

気軽に描いている

西洋物を描いていたのに何で今さら仏画?

とは思われたくなかったのでしょう。

 

この時点ではどうすれば良いのか、答えは出ませんでしたが

ここで諦めたくない、仏画を描いて行きたい

という思いは強く、描き続けることで答えが出ることを信じて進むことにします。

 

 

転機になった真言宗の方々との出会い

 

 

少し話がそれますが、何かを突きつめていくと思った時に

「難しそうだから止める」

と思うのか

「難しそうだけれど時間がかかってもやり続ける」

かの二択になると思います。

私も難しそうだから止めたことはありますが、私にとっての仏画は後者だったのですね。

 

迷いの森を抜け出す手がかりを求め、「もっと色々な方のお話を聞く機会を増やそう」と考えました。

 

密教の仏様

 

その後単発の講座に行ったり、写仏を体験する中で、自分の知りたいのは「密教の仏様」だと分かったので、「密教」についてもっと教えて貰える講座を探していました。

 

そこでネットで偶然見つけたのが、「悟東あすかさん」の「仏様お話会」でした。

 

悟東あすかさんは真言宗の尼僧さんで漫画家/作家でもあり、私もあすかさんのカードを持っていてお名前も知っていたので、早速講座に申し込みました。

(そしてこのお話会には「日本の密教カード」の共同著者である、小瀧宥瑞さんもゲストで時々参加されていました。)

 

あすかさんはとても優しくて、面白い尼僧さんで、同じ絵を描いている作家ということもあり、絵についても気軽に聞くことができました。

 

 

仏様のオラクルカードの企画を模索するも?

 

実はこの頃、「エンジェルプリズムカード」に続くオラクルカードの次回作の構想を練っていました。そして次のカードのテーマは「仏様」でいきたいと、密かに考えていました。

しかし色々学ぶうちに、

「これくらいの知識ではカードを出すレベルではない、数年かけて学んでゆっくりと制作するのが良い?」と考えるようになりました。

 

なので直ぐに形にするつもりはなく、「いつか作りたい」という感じで学びも続けながら仏画を描き続けます。

 

ところが、「数年後」に出す予定でいた「仏様のカード」が、思わぬ打診から急展開を迎えます。

 

「禅のカードを書き下ろしで出版しませんか?」

 

 

この話があったのは日本の出版社ではなく、なんとエンジェルプリズムカードの海外版を出版して下さった、Blue Angel Publishingでした。

遠くオーストラリアからまさかの「仏教系オラクルカード」出版の打診です!

 

西洋圏の出版社が禅のカード?

と思われる方もいるかも知れませんが、Blue Angel Publishingは観音カードを出していますし、海外では「禅タロット」という人気のカードもあります。

 

▼Blue Angel Publishingでエンジェルプリズムカード海外版を出版して頂いたお話はこちらから

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「密教」をテーマにしたカードを創りたい

 

海外出版に続き、描き下ろし新作の打診は大変光栄な話ですが、出版となると色々詳細も詰める必要があります。

そこでエンジェルプリズムカードの販売を委託し、Blue Angel Publishingとの仲介をして下さっているヴィジョナリー・カンパニーさんにその件で相談に伺いました。

 

ヴィジョナリー・カンパニーの社長の大塚さんとこの件で色々相談をしていると、当初の話とは少しずつ方向性が変わってきました。

 

「禅というテーマだと絵を描くのが難しいし、それだったら今私が企画を温めている「仏様カード」を日本で制作して、それをエンジェルプリズムカードの時のように版権を売る形が良いのではないでしょうか?」

という話をしました。

 

前記のように「仏様カード」は当初は自分のブランドで数年後の出版を考えていました。しかし、Blue Angel Publishingとしては出来れば一年以内に欲しいということでした。

 

「それなら今回は自分のブランドではなく、ヴィジョナリー・カンパニーさんが出版して下さるなら、「密教」をテーマに専門家の著者の方と組むスタイルでやりたいです

という方向性で話が進みました。

 

そこで悟東あすかさんにご相談し(あすかさんは仕事の事情で出来なかったので)、高野山の同期の小瀧宥瑞さんをご紹介して頂くことになりました。

 

 

「日本の密教カード」制作開始から完成までの道のり

 

 

そうして制作がスタートした「日本の密教カード」。(最初は「両界曼荼羅カード」というタイトルでした)

私も何度かオラクルカードの仕事をしていますが、オラクルカードに限らずクライアントのある仕事の場合

 

 私●クライアント(編集社)●著者の図で仕事を進めます。なので普段は私は著者の方と直接やりとりをすることはありません。

 

でも今回は、作画の進行中は殆ど編集を通さずに、小瀧さんとダイレクトに絵の内容を詰めることが出来ました。

 

普段編集者経由で仕事をしていると、あまり度々質問するのも悪いという気持ちもあり、「少し聞いてみたい」と言うことはあえて聞かないことが多いです。

しかし今回はダイレクトに質問出来るので、つまり「聞きたい放題」です(笑)

 

気が付けば迷いの森を抜けていた

 

 

「日本の密教カード」は現代的な絵柄で描いていて、カードによってはオラクルカードとしての解釈がしやすいように、幻想的な背景が描かれているものもあります。

これも当初は

「どこまでやって良いのか?」

「仏画の路線をどこまで守れば良いのか?」

という感じで様子をみながら進めていました。(カードの仕事が始まった当初は、「私が仏画を描いて良いの?」がまだ残っていたのですね)

 

しかし、小瀧さんから

「きちんと抑えるべき点」と「自由で良い点」

をしっかりと教えて頂けた為、描き進める度に自由になっていきました。

 

「経典に書かれている点は”ここ”だから変えてはいけない、でも他は作家の自由で良い」

「お寺に収めるような絵は別だけれど、美術品としての仏画は奥田さんの個性で描いて良いですよ!」

とも仰って頂けて

 

気が付けば、「仏画を描いて良いの?」の迷宮を抜け出していたのです。

 

そして「日本の密教カード」が完成する

 

絵が終わった後は、「編集のプロ」であるデザイナーさんと大塚さんに、とても分かりやすい形で「一冊のカード」にまとめて頂きました。

 

本を作る時は、著作本でも流れ作業で終わってしまうことも少なくありません。

そんな中で今回はチームとして良い仕事をすることができ、それぞれがプロフェッショナルな役割を務め、クオリティの高いカードになったと思います。

 

【日本の密教カード】のご紹介

 

 

ここからは、「日本の密教カード」についてご紹介をさせていただきますね!

 

「日本の密教カード」は2019年12月3日に発売されたオラクルカードです。

 

タイトルの通り「密教の仏様」を題材に、44枚のカードで構成されています。

 

絵とカードのメッセージは奥田みきが手がけ、仏様の解説やカード全般の監修は、高野山真言宗の阿闍梨である小瀧宥瑞さんが担当しています。

発売元は日本のオラクルカード出版の老舗であり、数々のオラクルカードを出版しているヴィジョナリー・カンパニーさんです。

カードに関しての詳細はAmazonのページに詳しく記載されていますので、そちらをご覧下さい。

 

 

発売以降も各方面からご好評を頂いていて、Amazonのカテゴリーランキングでも1位を頂いています。

 

オラクルカードってなに?

 

 

「オラクルカード」という言葉をご存じない方、漠然としか聞いたことがないという方に向けて、簡単に「オラクルカードとは何か? 」についてご説明させて頂きます。

既にご存じの方は飛ばして下さいね。

 

オラクルカードとは、占いのカードの一種です。

 

占いは西洋占星術、四柱推命、数秘述、タロット占いなど、古今東西でさまざまな種類があります。

特に古代においては占いは重要な役割を担っており、時には政治とも深く関わりながら、さまざまな占いが発展して来ました。

 

オラクルカードは占いの歴史の中でも、近年になって発達したカードを使った占いです。

通常40枚程度のカードを使って「占い(リーディング)」をしますが、カード占いといえば、タロットカードを思い浮かべる方も多いと思います。

 

タロットカードとオラクルカードの違い

 

タロットカードに比べると、オラクルカードの方が「直感」を大事にします。

タロットにも色々な流派はありますが、基本的にはカードに書かれている意味を正確に覚えて鑑定します。

一方のオラクルカードは「直感リーディング」と呼ばれる、読み手の直感力を重視する傾向にあります。

 

そのためオラクルカードは絵柄や題材も豊富で、絵とカードの意味(メッセージ)が融合した占いをすることができます。

自由度が高くスピリチュアル的な要素も多い為、カウンセラーやセラピストの方で自作のカードを作る方も多いです。

 

仏画をライフワークとして描き続ける

 

 

西洋物、例えば私が良く描く天使と仏様の大きな違いは、やはり自国の文化に根ざしていることだと思います。

私自身も昔を振り返ってみれば、要所要所で神社仏閣を訪れた思い出があります。

 

近所の「毘沙門天」でいつも遊んでいた記憶、両親が連れて行ってくれた冬の京都、バイトで貯めたお金で訪れた真夏の京都・奈良……。

その時々で感じた風や空気、一緒に仏像を見た人の記憶。

 

そんな様々な想い出があるこそ、その想いを仏様と一緒に描きたい。

そう思ったのです。

 

 

「日本の密教カード」の絵を描くことは、私の今後の仏画制作において大きな転機になったことは間違いありません。

 

「正統な仏画」と「自分の描く仏画」の間で葛藤したこともありますし、今後もその気持ちがゼロになることはないでしょう。

 

でもその気持ちはマイナスな感情ではなく、「仏画に対する敬意の感情」です。

 

なので今後もその気持ちを抱きながら、ライフワークとして「奥田みきの仏画」を描いていきたいと思います。

 

 

 

 

最後に、神保町の書泉グランデで「日本の密教カード」の発売記念イベントを開催して頂いた時の写真を掲載いたします。

 

書泉さんは私が学生の頃から足しげく通っていた書店で、学生時代には自分がいつかここでイベントを開催出来る日が来るとは夢にも思っていませんでした。

 

このカードの制作・発売にご協力いただいた方々、カードを手にして頂いた皆さまに深く感謝いたします。

 

 

 

 

 

 

 

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