【瀬織津姫とは?封印された理由と龍神との関係】ご利益・神社・神話の謎を徹底解説

【瀬織津姫とは?封印された理由と龍神との関係】ご利益・神社・神話の謎を徹底解説

2025年最新版

もくじ

序章:瀬織津姫とはどんな神様?──封印された女神の魅力にふれる

皆さま、こんにちは。
幻想画家の奥田みきです。

今回は、古くから謎に包まれている神様──**瀬織津姫(せおりつひめ)**についてお話しします。

  • 「どんな神様なの?」
  • 「封印されたってどういう意味?」
  • 「どこで祀られているの?」

といった素朴な疑問に、わかりやすくお答えしていきます。

瀬織津姫は、天照大神と深い関係があるとされる神様で神道の祝詞に名が登場するほど重要な存在でありながら、なぜか『古事記』や『日本書紀』といった日本の神話にはまったく記されていません。

そんな不思議な存在──瀬織津姫の魅力と謎を、この記事を通して少しでも感じていただけたら嬉しいです。

女神

女神

隠された、謎などが沢山ある瀬織津姫のミステリアスな魅力を、この記事から知っていただけたら嬉しいです。

🔷 第1章:瀬織津姫とは?──神話に登場しない水の女神

幻想的な水の写真

瀬織津姫(せおりつひめ)は、神道の祝詞「大祓詞(おおはらえのことば)」に登場する、水と祓いを司る女神です。

この「大祓詞」は、「大祓詞(おおはらえことば)」は、心身の不調や土地の穢れを清める目的で神社などで読み上げられる祝詞です。
特に年末の「大祓式」などでは、古来から重要な役割を果たしてきました。祝詞の中では、次のような流れが語られています:

  • 神々の国・高天原から、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が地上に降り、国を治める
  • やがて人々の間に、さまざまな罪や穢れが生まれていく
  • その穢れを「大祓(おおはらえ)」という儀式で祓い清める
  • 清められた罪や穢れを、瀬織津姫をはじめとする祓戸の神々が完全に消し去る

この中で、瀬織津姫は「禍事(まがごと)・罪・穢れ」を川から海へ流し去る役割を担う女神として登場します。
つまり、「流して清める」力を持つ、極めて重要な存在といえるのです。

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🔷 第2章:なぜ“封印された神”と呼ばれるのか?──歴史と仮説

そんな重要な役割を持ちながら、瀬織津姫は『古事記』や『日本書紀』など、日本神話の主要な記録には一切登場しません
この不在は、多くの研究者や信仰者たちの間で大きな疑問となり、次のような説が語られてきました。

  • 本来は非常に重要な神だったが、歴史や信仰の流れの中で意図的に記録から除かれた
  • 政治的な背景や、女性神の扱いなどが影響して、名が残らなかった
  • 別名で記録されている可能性もある

このような理由から、「封印された女神」として語られることが多くなっているのです。

瀬織津姫の正体や背景には瀬織津姫の正体や背景には、まだはっきりとした結論はありませんが、それゆえに多くの人を惹きつける神秘的な魅力を持っています。

🔸 あくまで“説”だが、ロマンがある

もちろん、これらは歴史学的には「推論」に過ぎません。
『ホツマツタエ』自体も、学術的には正史とはされておらず、「偽書」と見る向きもあります。

それでも、

祝詞には登場するのに、なぜ神話にはいないのか?

なぜこれほど多くの神社に祀られているのか?

なぜ「龍神」や「祓い」といった力と結びついているのか?

といった多くの謎が、瀬織津姫という女神に深い神秘性と魅力を与えていることは間違いありません。

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🔷 第3章:瀬織津姫は白龍の姿?──水と祓いの神が重なる理由

神秘的な白龍神の顔を正面から描いた幻想的なアート作品。蓮や水のモチーフとともに青を基調に構成されている。

瀬織津姫(せおりつひめ)は、水に宿る力を象徴する女神です。
その性質から、白龍と結びつけて語られることが多くあります。

🔸 なぜ水の神が龍神と重なるのか?

日本では、水を司る神霊が“龍”の姿で表されることがあります。
雨や川を動かす龍は、自然界の流れを象徴する存在です。

瀬織津姫もまた、罪や穢れを水に乗せて流す神。
この共通点から、**「瀬織津姫=白龍の化身」**という見方が自然と生まれてきました。

🔸 白龍は「清め」と「再生」の象徴

白龍は、浄化・再生・霊的な導きを意味するとされます。
瀬織津姫が持つ祓いの力と通じる部分も多く、
その姿を白龍に重ねる人も少なくありません。

流れる水のように穢れを祓い、光へ導く力。
それが、瀬織津姫と白龍に共通する本質です。

白龍とともに祓いの力を湛える瀬織津姫を描いた幻想的なジクレー版画。浄化と静けさを感じさせる青緑の色調の作品

祓いの女神の姿を描いたジクレー版画。▶︎ [ショップで見る]

🔷 第4章:祓戸四神とは?──穢れを浄める神々と瀬織津姫の役割

瀬織津姫(せおりつひめ)は、神道の祝詞「大祓詞(おおはらえことば)」に登場する
**「祓戸四神(はらえどのししん)」**の一柱です。

この四神は、人や土地に溜まった穢れを取り除くために働く神々として、祓いの儀式で重要な役割を担っています。

🔸 四神の働きと流れ

祓戸四神は、穢れや災いを段階的に処理するために、それぞれ異なる働きを持ちます。

神名(読み)働き
瀬織津姫(せおりつひめ)穢れや禍事を川に乗せ、海へ流す
速開都比売(はやあきつひめ)海でそれらを受け止め、飲み込む
気吹戸主(いぶきどぬし)飲み込まれた穢れを風で吹き送り、底の世界へ
速佐須良比売(はやさすらひめ)最後に封じ、完全に消し去る

この流れによって、目に見えない悪しきものが世界からきれいに消えていくとされます。

🔸 瀬織津姫は“祓いのはじまり”を担う存在

この四柱の中で最初に登場するのが瀬織津姫です。
穢れを川に乗せて運ぶという働きは、“祓いの起点”としての重要性物語っています。

水の流れに罪や災いを託し、自然の摂理に乗せて運ぶ。
その行為は、水の神としての本質を表しているとも言えるでしょう。

🔸 現代にも響く「流して清める力」

瀬織津姫の働きは、単なる古代の神話ではなく、
現代においても「心の穢れを手放す」「気持ちを切り替える」といった意味で、
多くの人にとって必要とされるイメージと重なります。

流す・清める・整える──
この女神の力は、今を生きる私たちの中にも、自然に届いているのかもしれません。

🔷 第5章:『ホツマツタエ』に記された瀬織津姫──神話のもう一つの物語/

瀬織津姫(せおりつひめ)にまつわる“封印説”の根拠として、しばしば取り上げられるのが、
**『ホツマツタエ』**と呼ばれる古文書です。

これは、古事記や日本書紀とは異なる系統の神話世界を描いた、いわゆる「古史古伝(こしこでん)」のひとつ。
神代文字とされる「ヲシテ文字」で書かれており、そこには正史に記されなかった神々の姿が綴られています。

🔸 『ホツマツタエ』の中の瀬織津姫とは?

この書物の中で瀬織津姫に相当する存在として登場するのが、**「向津姫(むかつひめ)」という神様です。
彼女は、なんと天照大神の妃(正妻)として描かれており、古事記とは全く異なる関係性が語られています。

さらに、『ホツマツタエ』では天照大神は男性神とされており、
その正妃である向津姫こそが、瀬織津姫の本来の姿ではないかと考えられているのです。

🔸 神話の改変と封印説のつながり

もし、この記述が事実だったとしたら──

  • 現在「女神」とされている天照大神は、実は男神だった
  • その妃である瀬織津姫は、歴史の中から姿を消された

という構図が見えてきます。

これは、持統天皇の時代に神話が改変されたという説とも一致しており、
瀬織津姫の「封印された存在」というイメージを一層深める要素となっています。

🔸 信じるかは“あなた次第”──でも神話の魅力とは

もちろん、『ホツマツタエ』は学術的には「偽書」と見なされることが多い文献です。
そのため、歴史的事実としては扱われていません。

それでも、
「なぜ瀬織津姫の名が古事記から消えたのか?」
「なぜ水と龍と祓いに結びつくのか?」

といった数々の謎を読み解くヒントとして、
この“もう一つの神話”にロマンを感じる人が多いのも事実です。

神様の物語は、ただ正史に従うだけではなく、
人々が時代ごとに想いを重ね、祈りを込めて受け継いできた“心の神話”でもあります。

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🔷 🔷 第6章:瀬織津姫のもう一つの名前──他の神とつながる謎

《金箔を背景に力強く舞う白龍を描いた和風アート作品。躍動感と神聖さを併せ持つ龍神画。

瀬織津姫(せおりつひめ)は、公式の神話書である『古事記』や『日本書紀』にはその名前が登場しません。
しかし、別の名を使って記録されているのではないかという説があります。

この章では、瀬織津姫と関連づけられる3柱の神をご紹介します。

🔸 向津姫(むかつひめ)と重なる存在?

『ホツマツタエ』という古文書では、瀬織津姫に似た性質を持つ「向津姫(むかつひめ)」という女神が登場します。
さらに『日本書紀』には、「撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(つきさかきいつのみたまあまさかるむかつひめのみこと)」という名の神が記されており、この神こそ瀬織津姫を指しているのではないかとする説も存在します。

ただし、この見解は文献上の直接的な裏づけがあるわけではなく、あくまで比較や伝承から導き出された仮説にすぎません。

🔸 禍津日神(まがつひのかみ)との一致点

「禍津日神」は、イザナギが黄泉の国から戻り、禊(みそぎ)を行った際に生まれた神とされています。
災いを遠ざける力を持ち、厄除けの神としても知られています。

この「災厄を祓う」という性質が、穢れを水に乗せて流す瀬織津姫の働きと非常に似ているため、この神もまた、瀬織津姫の別名ではないかと考えられるようになりました。

🔸 天照大神の“荒魂”としての姿?

神道では、ひとつの神に「穏やかな側面(和魂)」と「荒々しい側面(荒魂)」の両方があるとされます。
天照大神にもこの二面性があり、「荒魂」が強い浄化力や変革を象徴すると言われています。

瀬織津姫は、その荒魂として祀られることがある神で、兵庫県の廣田神社では、かつて主祭神として瀬織津姫が祀られていたという記録も残っています。

さらに、鎌倉時代に編まれた『倭姫命世記』には、瀬織津姫と天照大神の荒魂を同一視するような記述も見られます。

🔸姿や名を変えながらも、信仰の中で静かに受け継がれてきた神

瀬織津姫は、時に名を変え、他の神と重なり合いながら、各地の神社や信仰の中に生き続けてきました。
はっきりと姿を残していないからこそ、その存在には想像と解釈の余白があり、多くの人を惹きつけるのかもしれません。

神話に残された“わずかな手がかり”を通して、私たちは今もなお、瀬織津姫という存在に問いかけ続けているのです。

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🔷 第7章:瀬織津姫を祀る神社──全国の参拝スポットとその由緒

瀬織津姫(せおりつひめ)は、古事記や日本書紀には登場しないにもかかわらず、
日本各地の神社で主祭神や祓戸の神として祀られている、非常に特別な存在です。

ここでは、瀬織津姫とゆかりのある神社をいくつかご紹介します。
参拝の参考にされたい方にもおすすめです。

🔸 伊勢神宮(三重県)──別宮にて「天照大神荒魂」として

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「お伊勢さん」で知られる伊勢神宮。
その別宮「瀧原宮」などでは、天照大神の荒魂として瀬織津姫が祀られていると伝えられています。

表立って「瀬織津姫」の名前は出ないものの、神秘的なエネルギーを感じる場所として、
スピリチュアルな参拝者に人気があります。

🔸 小野神社(東京都多摩市)──武蔵国一之宮

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関東で瀬織津姫にゆかりがある神社のひとつが、聖蹟桜ヶ丘にある小野神社です。
この神社も祓戸神をお祀りしており、澄んだ空気と水の気に包まれた場所として、多くの参拝者に親しまれています。

🔸 日比谷神社(東京都港区)──都会の中の祓いの神社

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東京・新橋にある日比谷神社も、祓戸四神を祀る神社として知られています。
都市の中心にありながら、訪れると穏やかで凛とした気配に包まれる、
“日常の中で浄化される場所”としておすすめです。

🔸 廣田神社(兵庫県西宮市)──かつての主祭神が瀬織津姫?

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廣田神社は、古くは瀬織津姫を主祭神としていたとされ、
現在は天照大神の荒魂を祀っています。

『倭姫命世記』にもこの神社の記述があり、
天照大神と瀬織津姫の関係を示唆する貴重な神社のひとつです。

🔸 佐久奈度神社(滋賀県大津市)──祓戸四神すべてを祀る

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すべての祓戸の神様にご縁がある神社として知られているのが、滋賀県の佐久奈度神社です。
本殿には瀬織津姫をはじめとする四柱の神々が揃い、
“祓い”の本拠地とも言える神聖な神社となっています。

そのほかにも……

  • 各地の天満宮や八幡宮の摂社
  • 水神としての信仰がある山間部の神社
  • 弁財天の名を借りて祀られている場合も

など、瀬織津姫は様々な神の名や役割に姿を変えて全国に祀られていると考えられています。

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🔷 第8章:瀬織津姫のご利益とは?──穢れを祓う女神のエネルギー

瀬織津姫(せおりつひめ)は、「祓いの神」「浄化の神」として信仰されており、
その力は、日々の心の穢れから人生の節目における大きな浄化まで、幅広く影響をもたらすといわれています。

🔸 代表的なご利益

瀬織津姫にゆかりのある神社では、次のようなご利益が信じられています。

  • 心身の浄化・リセット
  • 開運・厄除け
  • 人間関係の浄化
  • 勝負運・仕事運の向上
  • 受験や試験の合格祈願
  • スピリチュアルな目覚め・再生

とくに、「ここぞ」という場面で自分をリセットし、
新たな一歩を踏み出すタイミングでご縁を感じる方が多いようです。

🔸 なぜ「浄化」にご利益があるの?

瀬織津姫は、祓戸四神の一柱として知られ、災いや穢れを川に託して海へと運ぶ役割を担っています。
その働きは、まさに「流すことで解き放つ力」の象徴ともいえるでしょう。

私たちが生きていると、どうしても溜まってしまう

  • ネガティブな感情
  • 環境によるストレス
  • 過去の執着や失敗

などを、瀬織津姫の力を借りて祓い、本来の自分に戻るきっかけにすることができます。

🔸 ご神気にふれるには?

瀬織津姫にご縁のある神社を参拝することもひとつですが、
他にもこんな方法で“ご神気”にふれることができます:

  • 大祓詞を静かに読む(祓いの言霊を感じる)
  • 清流や滝など「水の場」に出向く(自然の瀬織津姫)
  • 龍神や白龍に意識を向ける(エネルギーの共鳴)
  • アートやカードを通じて女神の波動を受け取る

特に、**絵やオラクルカードなどの“ビジュアルな媒介”**は、
初心者にもわかりやすく、日常の中で気軽に神聖さに触れられるツールとなります。

🔷 第9章:まとめ──封印された女神・瀬織津姫が語りかけてくるもの

瀬織津姫は、古事記や日本書紀には登場しないものの、その痕跡が随所に残されている、謎多き神様です。

封印された女神だけあって、スピリチュアル的な解釈も多いので、文献などの「正解」ではない記述も多いのですが、それ故に人気の女神ともいえます。

実在したかどうかの真偽が問われているとしても、その存在を敬い、信じ、思いを馳せることには、やはり他の神様と同じく特別な意味があるのではないかと思います。

天照大神と関わりのある存在とされることもある瀬織津姫。
さらに知りたい方は、専門家による解説書などを通じて理解を深めてみるのもおすすめです。

日本の神様ジクレー版画

穢れを水にゆだねて流す、祓いの女神・瀬織津姫。

▶ジクレー版画を見る

※本記事は最新の情報にもとづいて加筆・再構成しています。

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