瀬織津姫(せおりつひめ)とは?│神社│ご利益│封印された女神│ホツマツタエ│画像(イラスト)を添えてご紹介

皆さま、こんにちは。幻想画家の奥田みきです。

今回は、瀬織津姫(せおりつひめ)という謎に包まれた神様について、

「どんな神様なの?」

「封印されたってどういうこと?」

「祀られている神社は?」

「龍神との関係は?」

といった疑問にお答えしていきます。

瀬織津姫は、天照大神と縁の深い神様と考えられ、神聖な祝詞にその名が記されているにも関わらず、古事記や日本書紀には一切登場しません。

そのため、今回の記事も文献などに明記された正しい答えと言うよりも、「諸説ある」「こんな言い伝えもあると言ったように、色々な説や言い伝えがあるという切り口でご紹介しています。

 

隠された、謎などが沢山ある瀬織津姫のミステリアスな魅力を、この記事から知っていただけたら嬉しいです。

瀬織津姫(セオリツヒメ)とは│どんな神様?

瀬織津姫は、神道の祭祀で唱えられる『大祓詞(おおはらえことば)』に登場する、水の神様です。

大祓詞は、人の罪や土地の穢れなどを祓う際に奏上される祝詞のこと。

その内容を要約すると、以下のようになります。

・高天原という神の国から天孫降臨された瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)は、大和の国を平和に治められている

・しかし大和の国には、今後様々な罪や穢れが生まれるだろう

・それら罪や穢れは、大祓という儀式によって立ちどころに消えていく

・こうして祓われた罪や穢れは、瀬織津姫ら四柱の神々が完全に消し去るだろう

瀬織津姫は重要な力を持つ存在

この大祓詞の内容の通り、瀬織津姫はすべての罪や穢れを洗い流すことができる、神様の中でも重要な力を持つ存在です。

にも関わらず、日本最古の歴史書とされる『古事記』や、公式に編纂された最古の歴史書である『日本書紀』に、瀬織津姫は登場しません。

そのため、

・どんな神様なのか?

・どの神様とどういう関係にあったのか?

・なぜ日本神話にその名がないのか?

といった疑問が未だに解明されておらず、「封印された神様」として知られているのです。

瀬織津姫(せおりつひめ)とは?│なぜ封印された?

神道の大祓詞には登場するのに日本神話には登場しないという異例さから、瀬織津姫には意図的に「封印された」という説が唱えられています。

推測の域を出ませんが、瀬織津姫の存在が日本神話から消されたとされる理由は、古事記が編纂された頃に即位した持統天皇が深く関わっています。

それはどういうこと?
それはですね…

持統天皇の時代は、藤原氏が強大な力を持ち、天皇家の権力が弱まっていました。

そこで女性である持統天皇は、貴族たちの支持を集めるために、八百万の神々の最高位に位置する天照大神を女性として、持統天皇の正統性を示そうとしたのです。

そして瀬織津姫は、実は「天照大神の正妃」と考えられている神様です。

つまり古事記が編纂されたこの時期に、瀬織津姫は持統天皇にとって「天照大神は女神である」とするには都合が悪かったため、その存在を意図的に消したとされているのです。

 

この説はあくまで推測に過ぎませんが、『ホツマツタエ』という日本神話を描いた書物に改変を裏付けるような記載もあり、当時の時代背景も相まって、信憑性を感じさせるものとなっています。

瀬織津姫(せおりつひめ)は龍神(白龍)の化身?

瀬織津姫は大祓詞で水と関連づけられていることから、龍神(白龍)の化身とも言われています。
弁財天も水に関わる女神である事から龍と関連付けられていますが、二人とも龍神との関わりが文献などに記載されているわけではありません。それでも大いなる水の働きと龍神、瀬織津姫を結び付けて捉えるのは自然なことといえるでしょう。

瀬織津姫(セオリツヒメ)と祓戸大神(はらえどのおおかみ)・祓戸四神

祓戸四柱大神(祓戸四神(はらえどよんしん)とは、上記にご紹介した大祓詞(おほはらへのことば)に登場する4人の神さまのことで、神道において穢れを払う神とされています。

その最初に登場するのが瀬織津姫(瀬織津比売)です。

 

穢れを払ってくれる4人の神さまをご紹介します!
  • 瀬織津比売(せおりつひめ)様々な禍事や穢れを川から海へと流す。
  • 速開津比売(はやあきつひめ) 河口や海の底で待ち構え、もろもろの禍事・罪・穢れを飲み込んでくれる。
  • 気吹戸主(いぶきどぬし)速開都比売神が禍事・罪・穢れを飲み込んだことを確認し、根の国・底の国に吹き払ってくれる
  • 速佐須良比売(はやさすらひめ)根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの禍事・罪・穢れを持ち去り封じる
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瀬織津姫(セオリツヒメ)とは?│謎多き書物『ホツマツタエ』

ホツマツタエとは、神代文字の一種である「ヲシテ文字」で書かれた古史古伝の1つです。

古史古伝とは、古事記や日本書紀といった古代史における正当な史料とは異なる歴史が書かれた文献のこと。

 

ホツマツタエは日本神話を描いた書物ですが、江戸時代以前に存在していた事実を確認できないため、現在では史料に値しない偽書とされています。

もしホツマツタエの記載が正しいとすると、女性として知られる天照大神は「実は男神だった」ということになり、日本神話に対する認識が完全に覆ってしまうことになります。

そのためホツマツタエは、研究対象として注目されながらも、慎重に扱われるべきものとなっています。

このように、時の権力者によって意図的に消されたような推測が立つミステリアスな神様だからこそ、主要な史料に名前がないにも関わらず、知名度も人気も高いのかもしれませんね。

瀬織津姫(せおりつひめ)とは?│別名をご紹介

封印されたとされている瀬織津姫ですが、日本書紀には瀬織津姫と考えられる神様が、いくつかの別名で記載されています。

続いては、瀬織津姫と同一視されている日本神話の神様を三柱ご紹介します。

 

向津姫

瀬織津姫は、ホツマツタエでは「向津姫(むかつひめ)」という名前でも登場します。

この向津姫は、日本書紀に登場する「撞賢木厳之御魂天疎向津媛命」のことではないか、と考えられているのです。

もし向津姫が瀬織津姫なら、瀬織津姫は日本書紀に登場していることになります。

しかし、この説を裏付ける記載は確認されておらず、あくまで推測の域を出ていません。

禍津日神

「禍津日神(まがつひのかみ)」は、日本神話に登場する神様です。
黄泉の国から帰った伊邪那岐(イザナギ)が禊を行い、その時に祓われた穢れから生まれたとされています。

禍津日神は、祀ることで災いから逃れられると考えられ、厄除けの神様として信仰されています。
この「災厄を祓う力を持った神様」という共通点から、禍津日神は瀬織津姫のことではないか、と考えられています。

 

天照大神荒魂

瀬織津姫は、天照大神の「荒魂」として祀られることもあります。

日本神話では、神様の魂は二面性を持つと考えられており、荒魂は荒々しさや激しさ・創造性などを司っています。

この天照大神の荒魂こそ瀬織津姫ではないか、とする説もあります。

 

兵庫県西宮市にある廣田神社は、現在は天照大神の荒魂が祀られています。しかし戦前の由緒書には、「主祭神は瀬織津姫だった」と記載されているのです。

また、鎌倉時代に成立したとされる『倭姫命世記(やまとひめのみことせいき)』という神道書には、天照大御神の荒魂と瀬織津姫を同一視した記載も確認されています。

 

このように瀬織津姫は、別名としてその存在の痕跡を見つけることができます。

もし意図的に存在が消されたとしたら悲劇的ですが、神話の改変という「歴史ロマン」とも「闇」ともとれる様々な説が唱えられているところが、瀬織津姫ならではの魅力とも言えるでしょう。

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あらゆる穢れを祓うことができる瀬織津姫には、開運・勝負運・仕事運・必勝祈願・合格祈願といったご利益があります。

ここぞという勝負時には、瀬織津姫が祀られている神社を参拝してみてはいかがでしょうか。

まとめ

瀬織津姫は、古事記や日本書紀には登場しないものの、その痕跡が随所に残されている、謎多き神様です。

封印された女神だけあって、スピリチュアル的な解釈も多いので、文献などの「正解」ではない記述も多いのですが、それ故に人気の女神ともいえます。

実在したかどうかの真偽が問われているとしても、その存在を敬い、信じ、思いを馳せることには、やはり他の神様と同じく特別な意味があるのではないかと思います。

天照大神とも縁のある神様ですので、気になる方は瀬織津姫について専門家が解説されている書籍などを読み、理解をさらに深めてみてはいかがでしょうか。

 

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