
こんにちは、幻想画家の奥田みきです。
「干支の守り本尊(まもりほんぞん)」とは、生まれ年に応じて私たちを守護してくれる仏さまのこと。古くから災いを遠ざけ、幸運を招く存在として信仰されてきました。
この記事では、
- 守り本尊とは何か
- 干支ごとの仏さま一覧
- その由来や役割
- 期待されるご利益
…などをわかりやすく解説します。
仏さまに親しみを感じたい方、守護仏を知りたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。記事内では、私が描いた仏画も紹介しています。
干支の十二支

干支の十二支には、それぞれを守護してくれる仏さまがいらっしゃいます。
生まれ年に応じて一生を守ってくださる存在は「干支の守り本尊」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。
起源は明らかではありませんが、自分の干支を守ってくれる仏さまとして、多くの人に信仰されています。
また、守り本尊の縁日(えんにち)にお参りすると、特別なご加護があるとも伝えられています。
まずは、自分の干支にあたる守り本尊を確認してみましょう。
▼子年(ねどし) | 千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ) | 縁日・十七日 |
▼丑年(うしどし) ▼寅年(とらどし) | 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ) | 縁日・十三日 |
▼卯年(うどし) | 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) | 縁日・二十五日 |
▼辰年(たつどし) ▼巳年(みどし) | 普賢菩薩(ふげんぼさつ) | 縁日・二十四日 |
▼午年(うまどし) | 勢至菩薩(せいしぼさつ) | 縁日・二十三日 |
▼未年(ひつじどし) ▼申年(さるどし) | 大日如来(だいにちにょらい) | 縁日・二十八日 |
▼酉年(とりどし) | 不動明王(ふどうみょうおう) | 縁日・二十八日 |
▼戌年(いぬどし) ▼亥年(いどし) | 阿弥陀如来(あみだにょらい) | 縁日・十五日 |
下記からあなたの干支の守り本尊を、画像付きでご紹介致します。

子年生まれの守り本尊・千手観音菩薩
子年(ねどし)の干支の守り本尊は、千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)です。
正式には「千手千眼観自在菩薩」と呼ばれ、千本の手と十一の顔を持ち、あらゆる手段で人々を救ってくださる存在です。
“千”とは無限を象徴し、その広大無辺の力で、苦しむ衆生を一人残らず見捨てることなく救済すると信じられています。
「観音の王」とも称され、除災、病気平癒、良縁など、多くのご利益を授けてくれるといわれています。
ご真言:
オン バザラ タラマ キリク
功徳(ご利益):
除災難、除病、敬愛
丑年・寅年生まれの守り本尊|虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
丑年(うしどし)と寅年(とらどし)の守り本尊は、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)です。
「虚空蔵」とは、宇宙のように広大な智慧と福徳の“蔵”を意味し、
記憶力を授けてくれる仏さまとしても広く信仰されています。
試験合格や学問成就を願う方にも人気のある守り本尊です。
ご真言
ノウボウ アキャシャギャラバヤ オン アリキャ マリボリ ソワカ
功徳(ご利益):
智慧、記憶力向上、所願成就
卯年生まれの守り本尊・文殊菩薩
卯年(うどし)の干支を守護するのは、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)です。
正式には「文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)」と称され、智慧を司る仏さまとして古くから信仰されています。
獅子に乗ったお姿で、手には煩悩を断ち切る利剣を携えておられます。
ご真言
オン アラハシャノウ
ご利益(功徳)
智慧の向上、言葉の力(弁舌)、悪夢の払拭

智慧を授ける獅子に乗る菩薩
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辰・巳年生まれの守り本尊・普賢菩薩
辰年(たつどし)・巳年(みどし)の干支の守り本尊は
普賢菩薩(ふげんぼさつ)です。
「普賢」とは「普く(あまねく)賢い教え」を意味し、
あらゆる場所と時に現れ、迷いの中にある人々を導いてくださるとされます。
特に平安時代以降、女性からの信仰を集めた仏さまでもあります。
ご真言
「オンサンマヤサトバン」
功徳(ご利益)
減罪、延命、煩悩断滅

静かに見守る白象に乗る賢き守護
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午年生まれの守り本尊・勢至菩薩
午年(うまどし)の干支の守り本尊は
勢至菩薩(せいしぼさつ)です。
正式には「大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)」といい、
智慧の光をもって、人々の迷いや苦しみを照らし出してくださいます。
観音菩薩とともに阿弥陀如来の脇侍としても知られ、
“悟りへと導く力”を象徴する存在です。
ご真言
「オンサンザンザンソクソワカ」
功徳(ご利益)
智慧、成長、気づき

迷いを照らす智慧の光とともに
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ひつじ年・さる年生まれの守り本尊・大日如来
未年(ひつじどし)・申年(さるどし)生まれの干支の守り本尊は、大日如来(だいにちにょらい)です。
密教において最も尊い仏さまで、宇宙の根源そのものとされています。
すべての如来や菩薩は、大日如来のあらわれとも言われており、私たち人間もまた、その光の一部として存在しています。
悟りの智慧を司り、深い内面の気づきを導いてくださる仏さまです。
ご真言
オン バザラ ダトバン
功徳(ご利益)
智慧、所願成就

災いを超えて、本来の自分へと還る導き
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とり年生まれの守り本尊・不動明王
酉年(とりどし)生まれの干支の守り本尊は、不動明王(ふどうみょうおう)です。
不動明王は大日如来の化身であり、五大明王の中心的存在。
炎を背負い、怒りの表情を見せる姿は、すべての迷いや悪を焼き尽くす強さの象徴です。
その怒りは、実は深い慈悲の裏返し。
迷いを断ち、正しい道へと導いてくださる力強い守護仏です。
「お不動さん」として、全国の多くのお寺でも広く親しまれています。
ご真言
ノウマク サマンダ バザラダン
センダ マカロシャダ ソハタヤ
ウンタラタ カンマン
功徳(ご利益)
息災、除病、調伏

恐れず進む勇気を与えてくれる力強い守護
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いぬ年・いのしし年生まれの守り本尊・阿弥陀如来
戌年(いぬどし)・亥年(いのししどし)生まれの干支の守り本尊は、阿弥陀如来(あみだにょらい)です。
阿弥陀如来は、西方極楽浄土へと導いてくれる仏さまとして広く信仰されています。
深い慈悲の光で私たちを包み、心の平安や救いをもたらしてくれる存在です。
通常の螺髪(らほつ)を持つお姿だけでなく、私の作品では孔雀に乗った「宝冠阿弥陀如来」の姿で描いています。
その柔らかなまなざしには、深い慈しみの力が宿っています。
ご真言
オン ロケイ ジンバラ アランジャ キリク
オン アミリタ テイゼイ カラウン
功徳(ご利益)
減滅、敬愛

慈しみの光で導いてくれる守護仏
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まとめ|あなたの干支の守り本尊は
皆さまの干支の守り本尊は、どの仏さまでしたか?
守り本尊は「自分を守ってくれる仏さま」として、親しみを込めて大切にされてきました。
どの寺院にお参りするか迷ったときには、ご自身の干支の守り本尊をお祀りしているお寺を訪ねてみるのも良いとされています。
また、お守りや仏像・仏画として、身近に置いている方も多くいらっしゃいます。
日常の中で仏さまの存在を感じることで、心の安らぎや守護を得られると信じられています。
※ご紹介したご真言や功徳は、「日本の密教カード」ガイドブックに基づいています。
なお、仏さまの姿や宗派によって、ご真言が異なる場合があります。
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