水彩画におすすめの筆・初心者に使いやすい筆はこの4つ
今日は透明水彩絵の具の3回目。
今まで「絵の具」と「紙」についてご説明して来ましたが今回は「筆」についてお届けします。
筆は画材屋さんに行くと沢山あって、値段もピンキリ……。
天然筆が良いと聞いたけれど、「え?こんなに高いの??」という感じで躊躇してしまいますよね。
もちろん、値段の高い筆にはそれだけの理由はありますが、今回は初めて方でも揃えやすい筆を中心に4種類の筆をライアンアップしました。
【透明水彩絵の具の絵の具はこちらの記事】
【透明水彩の紙についてはこちらの記事】
それでは早速スタートします。
水彩におすすめの筆・選ぶポイントは?
水彩に使われる筆 は色々あって、画材屋さんやネット通販でも本当に色々なものがあります。
筆は人によって好みが分かれる画材で、レビューなどを見ていても意見が分かていますよね。
「結局どれが良いのか良く分からない」となってしまいがちですが、
下記のあたりをポイントにしてみてくださいね。
- どれくらいのサイズの絵を塗りたいのか?
- どんなタッチで塗りたいのか?
- コシ(弾力性)はどれくらいのものが良いのか?
- 予算はどれくらいか?
筆の「コシ」って何?
筆にはそれぞれ固さがあって、塗った時に感じる弾力性のことです。柔らかすぎると、「へたっ」となってしまって塗りずらいので、初心者のかたには、適度な「コシ」のある筆をおすすめします。
初心者におすすめのサイズはどれくらい?
A4サイズ(29.7×21㎝)からF4サイズ(33.3×24.2cm)がおすすめです。大きすぎず小さすぎずのサイズです。ブロックタイプの紙やスケッチブックは号数(F4,F6などで売っています)
書きたいサイズなども踏まえ、たくさんある筆の中から自分にぴったりの筆を見つけてね!
水彩画の筆の種類「毛先の形状の違い」
筆はそれぞれ用途に合わせて毛先の形が違っています。
ここでは水彩画に使われる筆先の形状について記載しますね。
最もよく使われる形状がこの丸筆です。水の含みが良く、流れる様な線が描き易い形状です。迷ったらまずはこれからスタートするのが良いでしょう。F4程度のサイズを描くのなら、最初は10号、4号、0号の三本があればスタート出来ます。
号数は大きくなるほど太くなります。
広い背景をフラットに塗るのに適しています。筆を先の方を使い、エッジの効いた境目を塗ることもできます。
水彩画家の中では平筆をメインに使う人もいます
一本で大きな部分から細部まで描ける形状です。スケッチなどにも活用できます。慣れないと少し扱いづらいかも知れません。
面相筆は丸筆よりもさらに細かい部分を描くのに便利な筆です。元々は日本画を描くのに使われてきました。
平筆よりも広い面積を塗るのに便利です。特に水彩画の場合「水引」をする時に活用しますので、一本は持っていると重宝します。
この他にも用途に合わせて様々な形状の筆があります!
水彩筆の種類「材質の違い」
筆には大きく分けて3つの材質が種類あります。それぞれ異なった特徴を持っていますので、用途に合わせて使いわけてくださいね。
リス、イタチ、タヌキなど。
天然の毛の筆は水を良く吸ってくれるので、それだけ長い線を引くことが出来ます。
セーブルやコリンスキーなどは水をよく吸い、コシがあってソフトな書き心地です。リス毛はとても柔らかいです。
ただ近年は環境問題もあり、天然の毛の原価が高騰しています。そのこともあって現在は合成素材の開発も進み、合成筆でも質の良い筆が多くなりました。
天然の毛のデメリット・高価ですが毛が抜けやすいです。
おすすめ
天然毛でしたら、やはりウィンザー&ニュートン のコリンスキーがおすすめです。私は水彩初期のころは、細かい部分はいつもこの筆を使っていました。
人によっても使い勝手は違いますので色々試してね。
人工の毛、ナイロンやアクリルなど の合成繊維と、人工毛に天然毛をブレンドしたブレンド筆があります。
合成繊維の特徴は、まとまりも良くコシもあって弾力性があります。価格も天然の毛に比べるずっとお手軽です。
ただナイロン筆は水を含む量が少ないために、長く塗ることは難しいです。
お勧め
アルテージュ 画筆 キャムロンプロ
この筆はアクリル画の為に使いはじめたのですが、今では細部は水彩画でもこれで描く様になりました。ナイロンの筆なので水の含みは余り良くないのですが、この筆の利点はなんと言っても「丈夫さ」にあります。水彩用の合成筆は使い勝手は良いのですが「穂先」開いてしまいやすく、長持ちしません。色々な筆を試してみましたが、この筆の穂先が一番「開きづらく」長持ちします。
よく見かけるリセーブルは合成繊維に天然の毛をブレンドしたものです。
天然毛と人工毛の良い所をブレンドした筆ですので、コシと弾力、水の含みが良いものが多く、初心者でも扱いやすい筆が多いです。
お勧め
HOLBEIN ホルベイン 水彩筆 パラ リセーブル 350R ラウンド 丸筆
水彩の筆はどの号数を買えば良いの?
筆はタッチによって、太い筆メインで塗る人と、細い筆メインで塗る人といます。私は背景は太めの筆(10号~12号)ですが、他は中(4号)~極細(1/2号)で塗ります。
B4位までの大きさを描くなら、最初は丸筆の10号、4号、0号(もしくは1号)の3本があれがスタート出来ます。形状の違う物は後々必要に応じて揃えて行けばOKです。
水彩におすすめの筆4選
①「ホルベイン 水彩筆 パラ リセーブル 丸筆」
ホルベインのパラ リセーブルシリーズです。
合成繊維のリセーブルに天然のイタチの毛がブレンドされた、しなやかで弾力のある筆です。
デリケートな表現から力強い表現まで可能な筆です。
柔らかい筆は人によっては塗りづらく感じる方もいると思いますが、こちらはオールマイティに使い勝手の良い筆です。
水彩画で最初に揃えるならこのシリーズが良いと思います。
HOLBEIN ホルベイン 水彩筆 パラ リセーブル 350R ラウンド 丸筆 4号
②「アルテージュ・アクアレリスト」
「アクアレリスト900シリーズ」です。
新開発されたナイロン毛を使った筆です。リス毛に似た柔らかさを持ち、水をたっぷり含みます。柔らかいタッチやぼかし、彩色に適した筆です。
ナイロン毛と言うこともあり、価格もお手頃です。水彩がはじめてのかた には手に馴染みやすい、ソフト弾力性を持った筆です。柔らかめの筆がお好きな方にはこれがおすすめです。
③「ホルベイン 水彩筆 ブラックリセーブル SQ ラウンド」
ホルベイン 水彩筆 ブラックリセーブル
プロの愛用者も多い筆です。天然のイタチに特殊な表面処理を施した合成繊維をブレンドした、まろやかな書き心地の筆です
形状からもおわかり頂けるように、水の含みが大変良い筆です。私は3号を使っていますが、先端が細いので太めの筆で細部を塗ることもできます。3号で3000円程度なので筆としては高額ではないのですが、水彩スタート時には少し高めに感じるかも知れません。でも水彩が慣れたら是非使って頂きたい一本です。
ホルベイン 水彩筆 ブラックリセーブル SQ ラウンド 丸 3号 204153
使用感を動画でご紹介しています。
④「ウィンザー&ニュートン 水彩用筆 シリーズ7 」
ウィンザー&ニュートン 水彩用筆はブランド筆として有名です。最高級のコリンスキーセーブルを使用しています。そのためお値段も高価ですが、私もこの筆は細部用の細いものを使います。
筆は特に細部は良い筆を使わないと塗りづらいと思いますので、1号くらいのものを持っていると重宝します。
水彩筆・セット売りはどうなの?
ネットを見ていると、セット売りのかなり安価や100均の筆もありますよね。
ただ、筆は本来あまり安いものではないため、一本が100円程度の筆ですと、「それなり」と考えた方が良いです。アクリルなどの時に使い捨てなら良いのですが、ただ「塗ること」が目的に場合にはやはりおすすめはしません。
100均の刷毛などで、広い部分に水を塗る時だけ使う、などの使い方はできます
まとめ
色々なメーカーが様々な種類のな筆を出していますよね。水彩の筆はある程度の弾力と、水の含みがポイントです。
ここではホルベインのパラリセーブルをおすすめしましたが、気になったものは一つ入手して塗り心地を試して見るのがおすすめです。
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