こんにちは。幻想画家の奥田みきです。
このサイトでは、日本の神様や神社仏閣にまつわる情報を中心にお届けしていますが、今回はその原点ともいえる『古事記』について、簡単にご紹介したいと思います。
『古事記(こじき)』は、日本最古の歴史書であり、神々の誕生から国のはじまり、そして初代天皇・神武天皇の即位までが描かれた、壮大な日本神話の物語です。
この記事では、「古事記とは何か?」という基本的な内容から、神話の簡単な流れ、登場する代表的な神様の解説、そして関連する各神様へのリンクもあわせてまとめました。
この記事でわかること
- 『古事記』とは何か?日本書紀との違いは?
- 古事記のあらすじ(天地創造から神武天皇までの流れ)
- 物語に登場する代表的な神様たちと、詳しい解説ページへのリンク
日本の神話や神様の世界に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

古事記とは?簡単に説明
古事記は、西暦712年(奈良時代)に太安万侶(おおのやすまろ)によって書き記された、日本最古の歴史書です。
語り部であった稗田阿礼(ひえだのあれ)の記憶していた神話・伝承をもとに、「日本の神々の誕生」「国の始まり」「天皇家の由来」が描かれています。
この書物の目的は、天皇家の正当性を示し、国の起源を神話を通じて記録することでした。
古事記と日本書紀の違い
項目 | 古事記 | 日本書紀 |
---|---|---|
成立年 | 712年 | 720年 |
編者 | 太安万侶・稗田阿礼 | 舎人親王ほか |
文体 | 和文(漢字仮名交じり) | 漢文(中国風) |
内容の特徴 | 物語的で神話中心 | 編年体で歴史的 |
目的 | 皇統の神格化と神話伝承 | 外交的な国史としての整備 |
古事記は、神話色が強く、語り部による口伝の形に近いため、物語としての魅力があります。
一方、日本書紀は正式な歴史書として、対外的に見せる「正史」としての側面が強くなっています。

古事記のあらすじ|簡単に神話の流れを解説

ここでは、古事記に登場する神話の大まかな流れを6つの章に分けて紹介します。
第1章:天地のはじまりと最初の神々
- 世界がまだ混沌としていた時代、天と地が分かれ、最初に現れた神々(造化三神)が登場。
- やがて「神世七代(かみのよななよ)」の神々が現れ、世界の形が整えられていきます。
>登場神例:天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神
→ ※後日、各神様の記事へのリンクを設置予定
第2章:イザナギとイザナミによる国生みと神生み
天の命を受けた「伊邪那岐(イザナギ)」と「伊邪那美(イザナミ)」の男女神が、日本の島々を生み出します。
その後、さまざまな神々を生み出しますが、火の神を産んだことでイザナミは命を落とし、死後の世界「黄泉の国」へと旅立ちます。● この章での主な出来事:
- 天の浮橋に立ち、日本の島々を生む(国生み)
- 続いて神々を生む(神生み)
- 火の神・火之迦具土神を産み、イザナミが命を落とす
- イザナギが黄泉の国へ向かい、イザナミと再会するが決別
- この場面で、菊理姫命(くくりひめ)が一瞬登場
登場神:伊邪那岐命、伊邪那美命、火之迦具土神、菊理姫命


第3章:黄泉の国と三貴神の誕生
イザナミを追って黄泉の国へ行ったイザナギは、再び現世に戻った後、穢れを清めるために禊ぎ(みそぎ)を行います。

その際に、三柱の重要な神――「三貴神(さんきしん)」が誕生します。● この章での主な出来事:
- 黄泉の国から戻ったイザナギが、禊ぎを行う
- 禊ぎの中で、以下の三柱の神が生まれる
└ 太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)
└ 月の神・月読命(つくよみのみこと)
└ 暴風雨や海の神・須佐之男命(すさのおのみこと)
>登場神:天照大御神、月読命、須佐之男命



第4章:スサノオとヤマタノオロチ
高天原で乱暴を働いた須佐之男命(スサノオノミコト)は、姉・天照大御神との決別の末に高天原を追放され、地上へと降ります。
地上に降りたスサノオは、出雲の地で恐ろしい八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と遭遇し、これを見事に退治します。
その功績によりクシナダヒメ(櫛名田比売)、と結ばれ、荒ぶる神から英雄神としての側面が強く描かれるようになります。
また、スサノオは大山津見神の娘である神大市比売(かみおおいちひめ)とも結ばれ、彼女との間に生まれた大年神(おおとしのかみ)と宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)は、後の「稲荷神」としても信仰される重要な存在です。
● この章での主な出来事:
- 高天原を追放されたスサノオが地上へ降りる
- 出雲の地で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)と出会う
- ヤマタノオロチを退治してクシナダヒメを救う
- クシナダヒメと結婚し、英雄神としての一面が示される
- 神大市比売との間に大年神・宇迦之御魂神が誕生する
登場神:須佐之男命、クシナダヒメ、八岐大蛇、神大市比売、




第5章:大国主神と国造り/

スサノオの子孫である大国主命(おおくにぬしのみこと)が登場し、地上の国土を整えていく「国造り」の物語が展開されます。
少名毘古那神(すくなびこなのかみ)と協力しながら国土を発展させ、多くの試練を乗り越えた大国主は、やがて地上の支配者としての地位を確立します。
しかし、高天原の神々から「地上を天孫に譲るように」という要請が届き、最終的には建御雷神(たけみかづちのかみ)による交渉の末、国を譲る決断をします。
これが「国譲り神話」として知られる重要な場面です。
● この章での主な出来事:
- 大国主命が登場し、地上の国造りを始める
- 少名毘古那神と協力し、国土を発展させる
- 高天原の神々が「国譲り」を要請する
- 建御雷神との交渉の末、国を譲ることを決断
登場神:大国主命、少名毘古那神、建御雷神
→ 関連リンク:後日、各神様の解説記事へリンク予定

第6章:天孫降臨と神武天皇の即位
高天原の神々は、地上の国を治めるため、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上へと送り出します。
これが「天孫降臨(てんそんこうりん)」として知られる場面です。
瓊瓊杵尊は、地上で木花咲耶姫(このはなさくやひめ)と出会い、結婚します。
その子孫たちは代々地上を治め、やがて初代天皇とされる神武天皇(じんむてんのう)へとつながっていきます。
ここから物語は、神々の時代から人の時代へと移行していきます。
● この章での主な出来事:
- 高天原から瓊瓊杵尊が地上に降臨(天孫降臨)
- 木花咲耶姫と出会い、結婚
- 子孫が代々地上を統治
- 神武天皇が初代天皇として即位し、人の時代が始まる
登場神:瓊瓊杵尊、木花咲耶姫、神武天皇

古事記に登場する代表的な神様
古事記には多くの神様が登場しますが、ここでは特に重要な存在をいくつかピックアップしてご紹介します。そのほかの神様についても、順次紹介記事を追加していく予定です。
- 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
太陽と高天原の神。皇祖神として崇敬されている。 - 須佐之男命(すさのおのみこと)
荒ぶる海の神。英雄神としても知られる。 - 大国主命(おおくにぬしのみこと)
国造りを成し遂げた神。縁結びの神としても人気。 - 木花咲耶姫(このはなさくやひめ)
富士山の女神。ニニギノミコトの妻とされる。 - 瀬織津姫(せおりつひめ)
祓い清めの神として信仰される女神。


まとめ|古事記は日本神話の宝庫
古事記は、日本の文化・信仰・伝統の源を知る上で、とても大切な書物です。神話や神様の物語を通じて、日本人の精神や自然観にも触れることができます。
今後も、古事記に登場する神様たちを一柱ずつ深掘りしてご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
日本の神様ジクレー版画
