エンジェルプリズムカードは、「エンシェラート」という
奥田みきのプライベートブランドで制作した
エンジェルのオラクルカードです。2016年6月に出版されました。
その後、2019年8月時点で第二版の在庫がほぼ完売で、同年12月には
新装版を発売予定です。
また素晴しいことに、
2018年には海外の出版社の目にとまり海外版が出版される
という快挙も成し遂げています。
下記の記事は2016年の初版から半年後に書いた記事ですが、それに加筆・修正しました。
(発売から3年が過ぎ、色々反省点も出て来ました。この辺は最後に書きたいと思います)
現在はオラクルカードの自主制作は一種のブームのようになっていて、
沢山の方が作っていらっしゃるので、こういった記事も沢山あるかも知れませんが、
オリジナルのカードを作って見たい!と言う方の参考になればと、書いて見ました。
国内版
海外版(詳細は下記リンク先へ)
【オラクルカードを創る】①エンジェルカードの企画を立てる
オラクルカード制作のノウハウは時々聞かれることもありますし、
書籍タイプの自主出版は会社などに委託できるものも多いので、
「出版制作の過程」のブログも少なからずあります。
しかしオラクルカードのことを描かれているブログは見当たらなかったため、
私も色々手探りで制作しました。
今後オリジナル出版でのオラクルカード作られる方に参考になればと思い、記載してみます。
①企画を立てる。
企画~コンセプト~を作ります。
大抵の方は「自分のオラクルカードを作りたい」と思った時点で、
なんだかの得意分野、創りたいものがあると思います。
そして、いざ出版しようと思った時点で、下記の出版方法があります。
- 「出版社に出版してもらう為に売り込み用の企画書を作る」
- 「初めから自主出版で行く」
私は今まで色々出版の仕事に携わって来ましたが、出版社が「この商品を作ろう!」
と決定する最大の理由は(当然ですが)「売れるかどうか」があります。
なので、「今までにないような斬新な企画」や「著者が著名でそれなり部数を見込める」
などが採用のポイントになります(もちろんそれだけではないです)
逆に「今までも沢山でいるジャンル」や「世に知られていない作家」の場合は
やはり企画が通りずらいでしょう。
私の場合、イラストレーターのキャリアはありますし、出版の仕事も
色々やってきて、絵の部分ではオラクルカードにも関わって来ました。
しかし、実績のあるスピリチュアルティーチャーでも人気占い師でもありません。
おまけに創りたいのは「絶対にエンジェルカード」というのがありました。
エンジェルカードと言えば、ドリーンなどの著名なスピリチュアルの方の十八番ですので、
とてもこのジャンルで私が商業出版をするのは無理、と最初から思っていました(笑)
アートとメッセージを両方手掛けるエンジェルカードを作りたい
というのは、ここ10年くらいの念願でしたので、テーマ変えはあり得えませんでした。
なので結果はおのずと見えました。
「よし!、オリジナル出版で行こう」
●創りたいものはエンジェルカード!
でも商業出版では企画が通らなそう。
だったら自主出版で創ろう
●そもそも「何がしたい」、何を作りたい?
→自分の描きたいように、創りたいように自由にエンジェルカードを創りたい。
●ではどうすればいい?
プライベート出版の為に「小さな出版社」を立ち上げよう!」
そんな訳で、「自分で絵を描き、自分でメッセージを書き、自分で出版する」
オラクルカード制作が始まります。
【オラクルカードを創る】②エンジェルカード・企画書の書き方
「企画書」に一定のフォーマットはありませんが、
今まで仕事の時に頂いた「指示書(企画書)」を参考に創りました。
ちなみオラクルカードに限りませんが、仕事の「指示書」は
すごく創りこんであるものもあれば、あっさりとしているものもありますので、
まさに人それぞれです。作家の個性が出ます(笑)
しかし、「出版社に企画を売り込む。売り込み用の企画書を作るセミナー」などは、
もう少し作り込んだものが必要になる場合もあります。
(そういった企画書のことはまたいずれ記事にします)
今回は「オリジナル出版のエンジェルプリズムカード」の場合は、ということでお読みください
1.最初のコンセプト
大まかなラフスケッチのようなもの。
エンジェルプリズムカードはこんな感じです。
- エンジェルカードで四大エレメンツとレインボーの5つで構成されている。
- 各8枚で×5=40枚のカード(最終的に諸事情で一枚増えました)
2.各カードを色分けする。
全体が同じような色にならない為というのが大きいので、
あまり色の意味合いに縛られていません。
(カラーに縛られると絵の面白みが半減してしまうので)
3.実際にビジョンを繋ぎながら、同時にメッセージも書いて行く
私の場合は、絵とメッセージを同時に下すので、ラフとメッセージを
少しづつ創りこんで、最終的にこんな企画書を創りました。
この作業は大変だったのと同時にとても楽しかったです。
ラフの後、実際カードを使って頂いたり、自分でも使ったりして実際の
清書の時にメッセージが大きく変わったものもあります。
「カードは成長するもの」ですので、変わるに任せてしまいます。
ただそれが「ブレ」の為の変更だとやはり違うと思いますので、
最初の「これを創りたい!」というのは最後までぶれない、
つまりぶれないだけテーマのを
最初に用意することが大事だと思います。
絵は、ラフから清書でこんな感じになります。
●企画書は人それぞれ、フォーマットはあまり気にしない。
●全体の大まかな構成を最初に決め、テーマに沿って企画を煮詰め、書き進める。
●企画が出来上がったら、サンプルカードを創り、実際使ってみる。
使った結果カードが「成長」したら、その成長に任せる。
【オラクルカードを創る】今まで手がけたカードなど
ちなみに仕事で「イラストレーター」としはこんな仕事にも参加しています。
インテグレーションタロット/コモダーズ刊
幸せカラーセラピー/永岡書店刊
月のメッセージ/アルマット刊
【オラクルカードを創る】③見積もりを立てる
まず最初に2019年8月に加筆中の現在の状況を先にご説明します
制作時の2016年段階では、下記の仕様にするに当たって色々検討し、
その時点ではその仕様で良いと思いました。(ソフトパッケージ+ppなしのカード)
しかし、実際に市場に出し、自分の周り以外の方の率直なレビューなど拝見すると、
やはり使い勝手や、耐久性、見慣れた仕様の方を希望される方が多く
結果的に第三版は「通常良くあるオラクルカードの仕様」に変更することになりました。
下記は2016年時点での考えです。
実際に掛る経費
- 印刷代
- デザイン代
- イラスト制作費
- バーコードを付ける場合にはその登録費
辺りが主な経費です。
私の場合、イラスト、オラクル、デザイン、全て自分でできるので、
そういった経費は掛かりません。
(ただし今回のカードは趣味で作ったのではなく、あくまでも「エンシェラート」という
プライベートブランドからの「出版」ですので、私の見積もりには「自分の制作費」を計上しています)
これが制作者がオラクルのみで他は委託になりますと、それはプラスで掛かります。
【オラクルカードを創る】④イラストの制作費
これはもう「人それぞれ」です。
イラストレーターの方の中には「価格表」をHPに載せている方もいらっしゃいますし、
「イラスト制作費」で検索すれば、大体の事は分かります。
ご自身の予算内で制作してもらえるかどうかは、イラストレーター自身が
「オラクルカード」に興味があるかどうかも大きいですので、まずは問い合わせてみて下さい。
私個人の考えとしては、カードのイラストの重要性は高いので、出来れば交流のある作家の方と
きちんとコミュニケーションを取られ制作したほうが良いと思います。
(そうでないと、絵描きさんにも製作者さんにも良くない結果になってしまいます)
デザインの制作費
冊子、パッケージ、カードのデザインなどです。
イラストレーターの方の中には、デザインも一緒に請け負ってくれるケースもあります。
価格を抑えたいなら、ランサーズなどのクライドソーシングシステムを利用するの
も良いでしょう。
印刷の知識のない方は、入稿データーまで込でお願いしたほうが良いです。
【オラクルカードを創る】⑤印刷費と雑費
まず、どんな形態のカードにしたいかがあります。
代表的なドリーン・バーチューなどのカードは、
「貼り箱入り、両面PP加工のカード、無線綴じの小冊子」
になります。当然ですが価格が高い仕様です。
私の使用は
「ソフトパッケージ、両面PP加工なし、中綴じ小冊子」です。
左が貼り箱で、右がソフトパッケージです。
そしてこちらは左が私のカードで右が良くあるサイズです。
カードのPPがないのは、予算以上にあのテカリが苦手で使いたくなかったのですが、
耐久性の問題ではあった方が良い気がします
(ただエンジェルプリズムカードは色調整を「PPなし」でやっているため、
再販時にすべてのカードの色調節をし直すのは困難な為、再販時でも現状で
やるつもりです)※「新装版」では貼り箱仕様に変更予定
印刷の知識のない方は、オラクルカードなどを一括で制作してくれる会社が良いです。
雑費
私の場合「色校正」のない会社で刷ったので、その分事前にテストプリントを20種位やっています。
そのほか、ISBNコードの取得など(ISBNに関しては後程)
数万円プラスで載せておくと良いです。
校正代など
第一版で誤字脱字が多いとご指摘を受けたので、文章の校正を
プロの方に依頼して直して貰いました
(校正者のかたはココナラを利用して探しました)
文章はプロの方でないと、なかなか正しく出来ないので
自身のない方は校正者のかたにお願いするのも手です。
ちなみに英語もココナラでお願いしました。
●見積もりに必要なのは大きく分けて「イラスト制作費」、「デザイン費」、「印刷費」
●印刷会社や仕様によって見積もりは大きく違う
●創りたいものと、予算を上手く擦り合わせて「自分に合った仕様」を探す
●現在カードの自主出版は色々な工夫をされて出されていますので
イベントなどで入手してみるのも良いと思います
【オラクルカードを創る】⑥印刷会社
代表的なオラクルカード印刷の会社です。
私も今度頼む予定です。
見本を持って行って「こんな感じ」というので見積もりしてもらうのが確かです。
実は私も最初にここに行ったのですが、なぜか忘れたれて見積もりが
来なかったのです(笑) 。何となく「今回はご縁がない?」という感じで
催促しないで、いつも使っている会社をメインに使うことにしました。
他にはこんなところなどもあります。
(お得なパックなどもあり)
萬印堂のお得パック
印刷所によってかなり見積もりは変わります。
HP上から見積もりできるところも多いですので、色々やってみて、
予算や発行部数に見合った仕様を見つけて下さい。
ちなみに私は冊子やカード、パッケージをバラバラな印刷会社で刷っています。
当然なのですが、自主制作よりも商業出版の方が発行部数は多いです。
印刷部数が上がる度に一冊の原価が安くなりますので、自主出版で商業出版の
ものと同じ仕様にするのは色々厳しい面があります。
「自主出版は定価が高い」と言われてしまいますが、これはコストの問題で
どうしても仕方のない事なのです。
【オラクルカードを創る】⑦実際の制作
さて少し横道にそれるのですが、イラストレーターとして
オラクルカードの絵を描くと言うことを少しお話します。
「イラストレーター」として仕事の依頼を受ける場合には
最初に見積もりをしますが、先方の予算と自分がその仕事にかかる時間等を
加味して、予算を詰めます。
あまりにお互いの間に溝があると当然不成立になるわけで、
こちらも
「自分がその仕事を受けたい」
場合には色々妥協点を見つけて検討します。
制作費は一枚描くのにどれくらいの時間が掛かるのかを割り出すのですが
一枚の絵を2~3時間で描けるわけではなく、場合によっては数日かかりますので、
時給計算にすると決して高いわけではありません。
そんなわけで仕事の場合、「予算と制作時間」は切り離せない為、一枚に掛かる
制作時間とクオリティは予算で決まります。
(ちなみに請け負った以上は、大抵の場合は予算より時間を掛けて描きますが)
エンジェルプリズムカードで描いた絵は、そういった「仕事としての制作時間の縛り」
をなしに、「納得いくまで一枚一枚時間を掛けて」描いています。
エンジェルプリズムカードの制作で、一番重要だったのはこの点だと思います。
つまり「時間に縛られずに、納得行くまで絵を描くこと」です。
正直な話、エンジェルプリズムカードのクオリティで依頼が来たら、
通常のカード制作費の3倍位でないと描けないです(笑)
前記の部分は作業的な部分ですが、精神的な部分で今回の制作で一番重視したのは
「アートとオラクルを繋げる」
ことです。
絵だけはきれいだけれ使えないカード、にはしたくなかったので、
そこは絵と同じように丁寧に「メッセージ」を絵に描き込みました。
まさに、メッセージとーアートを一つの絵に織り込んで行く感覚です。
このアートとオラクルを余すことなくダイレクトに繋げられるのは、
絵描き本人だけだと思います。
エンジェルプリズムカードの制作のメインテーマは、
「絵の持っているエネルギー、絵が伝えられるメッセージを信じる」
ことでした。
そして自分自身と、天使の加護を信じて描き切ったおかげで
とても良い結果に辿り着くことが出来たのです。
この話は実際の「カード制作」としては参考にならないお話ですが、
「カードの絵を描く」という面では切り離せない話題ですので触れさせて頂きました。
【オラクルカードを創る】⑧販売ルート
印刷と入稿は、印刷会社が決まったら、
それぞれの印刷会社の方に詳細をお聞きするのが良いと思います。
販売ルートは、委託委託先として、カード販売で有名な
ヴィジョナリーカンパニーさんがあります。
メールフォームから委託希望の旨を連絡すると、サンプルを送ってくださいと
言うお返事があると思いますので、後は委託可か、不可かお知らせ頂けます。
私はヴィジョナリーカンパニーさんからAmazon等にも入れて頂いています。
そして、ヴィジョナリーカンパニーさんのご縁で、海外出版が決まり
その後、2019年にヴィジョナリーカンパニーさんで新作カードを出版すると
言うご縁も頂きました。
その他、ヒーリング系のショップで委託したり、直営のショップなどでも
販売して来ました。
イベントや、展示会など、色々販売の機会はあるはずです。
まとめ・最後に
最初は全くの手探りからはじめたカード作りも、世に出したからこそこういった
海外出版されるという、素敵な展開も頂けました。
「オリジナルのカードが作りたいけれど、自分には出来るか迷っている」
と言う方は、きっと素敵なカードが出来るはずです!
是非一歩踏み出して見て下さいね。
追伸
ちなみに現在エンシェラートブランドでの第二弾はまだ考えていませんが、
又きっと出版のタイミングが来ると思いますので
その時に力作のカードをお目に掛けたいと思います。
取りあえず12月には「新装版」をお届け致しますので!
2016年11月初稿/2019年8月加筆・修正
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